JRA宝塚記念(G1)「ブラストワンピース×川田将雅」の命運は“30秒”で決まる!? スタート直後の「〇〇」が好走のカギ
春のグランプリ、宝塚記念(G1)が28日に開催される。上位人気が予想されるブラストワンピース(牡5歳、美浦・大竹正博厩舎)は、メンバー唯一のグランプリホースだ。
前走の大阪杯(G1)7着から巻き返しを図る2年前の有馬記念(G1)の覇者。24日の最終追い切りは、息を整える程度の軽めだったが、美浦ウッドコースでシャープな脚さばきを披露。追い切りを重ねるごとに目に見えて状態はアップしている。
そんなブラストワンピースがG1・2勝目を手にするためには、最初のコーナー(1角)での位置取りが非常に重要となる。国内の12戦において、1角通過が6番手以内だったときは「4-0-0-1」で勝率は80.0%。唯一の敗戦は、59kgを背負い8着に敗れた昨年の目黒記念(G2)だった。
一方で、1角の通過が7番手以下だった場合は、「3-0-0-4」と一気に凡走が増えてしまう。しかも馬券圏外に沈んだ4戦は全てG1レースでのもの。すなわち、ブラストワンピースがG1で好走するためには「1角6番手以内」が絶対条件ということになる。
それを分かっていたのか、前走の大阪杯ではスタートしてから鞍上・川田将雅騎手が手綱を押して、先行集団に取りつこうとした。しかし、行き脚がつかず、1角通過は9番手という位置取り。2コーナー過ぎから早めに仕掛けたが、最後の直線では伸びを欠いた。
「大阪杯が行われる阪神芝2000mは最初のコーナーまでの距離が325mと短く、スタート地点がそのまま200m下がる2200mの方が先行したい馬にとって競馬はしやすくなります。ブラストワンピースにとってもこの200mの違いは非常に大きいはずです。
何より200mの距離の違い以上にカギを握るのがゲートの位置ではないでしょうか。2000m戦だとスタート直後が急坂となっており、ダッシュがつきにくいのですが、同じ内回りでも2200m戦はスタートから緩やかな下り坂が続きます。そのため格段にダッシュがつきやすいコース形態になっています。ブラストワンピースは、この下り坂を味方につけて、1角6番手以内につけたいところですね」(競馬誌ライター)
鞍上の川田騎手にとっても1角の通過順が非常に重要な要素となっている。阪神芝2200mを得意とする川田騎手だが、最初のコーナーを6番手以内で通過した時の通算成績は「18-11-9-27」。それに対し、7番手以下だと「0-0-1-27」とまさかの連対なし。人馬ともに「1角6番手以内」は譲れない線というわけだ。
「1角6番手以内」―――。ブラストワンピースと川田騎手にとって、スタートから525m(約30秒)でこの位置が取れるかどうかが勝負の分かれ目となるだろう。