JRA武豊キセキ見限りは早計!? 宝塚記念(G1)反撃のヒントは前走の失速にあった! 今度こそユタカマジック炸裂か
28日、阪神競馬場で開催される春のグランプリ・宝塚記念(G1)は、G1馬が8頭の超豪華メンバーで争われる。
昨年の皐月賞(G1)以来となるG1・3勝目を狙うサートゥルナーリア、今年の大阪杯(G1)を制したラッキーライラックの注目の対決をはじめ、クロノジェネシス、ブラストワンピース、グローリーヴェイズらも侮れない。
そんななか、前走の天皇賞・春(G1)で3番人気の支持を受けながら、6着に敗れたキセキ(牡6、栗東・角居勝彦厩舎)の巻き返しがありそうだ。
今年のキセキは始動戦となった3月の阪神大賞典(G2)を1秒以上も出遅れる致命的な不利もあって7着に敗れた。出遅れ癖のあった父ルーラーシップの気性の悪さが表面化し始めた疑いもあり、管理する角居勝彦調教師はレース後に「全部ダメ、今後は白紙」と頭を悩ませたほどだった。
陣営は新たな手立てとして、川田将雅騎手から武豊騎手への乗り替わりを発表。キセきは武豊騎手を背に見事ゲート再審査を合格し、正式に天皇賞・春の参戦が決定した。追い切りの動きや状態にはこれといった問題はない。キセキにとっての課題はあくまでも体ではなく、心である。注目となった本番の天皇賞・春で、キセキは好スタートを決めた。
これなら大丈夫。スタートを見届けた誰もがそう思ったに違いない。
武豊騎手とキセキのコンビはダンビュライト、スティッフェリオをひとまず前に行かせ、3番手につけた。前走のような大きな出遅れもなければ、好位を追走する姿に胸を撫で下ろしたのも束の間、一気にスピードアップ。先頭に立つ競馬となってしまった。
だが、これだけであれば大きな問題とはならない。逃げても好走してきたのがキセキという馬だ。むしろ深刻だったのは直線に入って、あまりにもあっけなく後続につかまってしまったことだろう。これについて武豊騎手は「スタートはうまくいったね。1周目の直線に向いて、スイッチが入ってしまった」と、好位で我慢が出来なかったことを残念がった。
その一方で、キセキ自身が能力を発揮し切れていなかったという思いもあったようだ。5月9日付の『スポニチ』で連載されている『サタデー物語』で、キセキにある「アクシデント」が発生していたことを明かしている。詳細は紙面をご覧いただきたいが、コラム内で「蹄鉄が外れたまま残り1周でしょ……」と、落鉄があったことを振り返っていたのだ。
武豊騎手としては「ハナに立ってからのタイムとペースからして粘って不思議ではない」と感じていたことからも、落鉄の影響が少なからずあったのではないだろうか。