JRAノーザンファームに大誤算! 3連勝中の新馬戦に「期待馬」集結のはずが、「除外・回避」でまさかの……
27日(土)、東京5Rの2歳新馬戦にフルゲート16頭がそろった。
芝の1800m戦とあって、例年なら翌春のクラシックを狙えるようなノーザンファーム生産馬が出走してくる。今年も週半ばの想定段階では、3頭が出走を予定していたが、木曜日の出馬表発表では、ノーザンファーム生産馬が1頭もいないという事態に……。3頭に何が起こったのだろうか。
3頭の中で最も期待が大きかったのがスワーヴエルメ。父がクラシック2冠を制したドゥラメンテ、母が桜花賞3着馬のアイムユアーズという良血馬だ。セレクトセールで1億9440万円という高額で取引され、注目度は群を抜いて高かった。出走していれば1番人気は間違いなかったが、16/21の抽選に漏れ、まさかの除外となった。
スペシャルドラマは、伯父にG1・2勝のグランプリボスがいるこちらも良血馬。父エピファネイア、母の父キングカメハメハ、さらに2代母の父サンデーサイレンスという配合は牝馬2冠のデアリングタクトと全く同じ。追い切りでもいい動きを見せていたが、こちらも16/21の抽選の壁に阻まれた。
「2頭(スワーヴエルメとスペシャルドラマ)は、おそらく来週以降の福島1800mに向かうことになるでしょう。どちらも大きいところを狙える馬だけに東京でデビューさせたかったでしょうね。夏の福島デビューからはクラシックにつながるイメージがありませんからね」(競馬誌ライター)
出走にこぎつけられなかった最後の1頭がアルビージャだ。サンデーレーシングから総額4000万円で募集されたモーリス産駒で、近親にアルバートやインティライミがいる。モーリス産駒待望の初勝利という期待も背負っていたが、最終追い切り後に歩様が悪くなり回避となった。
「ノーザンファームとしては、来年のクラシックに向けてここで“1勝”は見込んでいたはずです。まさか1頭も出走できない憂き目にあうとは思っていなかったでしょう。実際に、宝塚記念ウイークの東京芝1800mの新馬戦は、2017年からノーザンファームの生産馬が3連勝中でしたし」(同)
しかし、勝ち上がったその3頭には、その後苦難が待ち受けていた。
2017年に勝ち上がったスワーヴエドワードは、1勝クラスで頭打ちとなり、障害転向後に1勝するにとどまった。結局、平地・障害あわせて13戦2勝という成績で登録を抹消された。
2018年にはアンブロークンが勝ち上がり、2戦目の新潟2歳S(G3)でも2着に好走。しかし、脚部不安が判明し、その後は長期休養に入った。約1年後の復帰戦を3着と好走したが、結局2勝クラスでは勝利を挙げることなく、今月登録を抹消された。
そして昨年勝ち上がったのは、記憶に新しいブルトガングだった。グランアレグリアの全弟ということでデビュー前から注目度も高かった。新馬戦では期待に違わぬ衝撃の走りを披露したが、その2週間後に腰萎(腰フラ)が原因でまさかの安楽死処分になった。
結果的には、3頭ともその素質を開花させることなく、すでに現役を退いた。今年は3頭が除外・回避という結果になったが、嫌な流れを断ち切ったともいえる。長い目で見れば、逆に良かったのかもしれない。