JRAアーモンドアイ、サートゥルナーリアの凱旋門賞(G1)見送りは正解だった!? 宝塚記念(G1)クロノジェネシス圧勝で垣間見えた「嫌われ者」の存在価値

 そこで改めて、今年の宝塚記念を振り返ってみると、折からの豪雨で道悪と化したタフな馬場を圧勝したクロノジェネシスの父は2004年の凱旋門賞を勝ったバゴである。引退後に日本で種牡馬となり、初年度から菊花賞馬ビッグウィークを出したが、それ以外の産駒はG3に留まり、久々にG1馬を送り出したのがクロノジェネシスだった。

 凱旋門賞馬である父の血を引くクロノジェネシスが、タフな馬場の宝塚記念を圧勝したことは、今後の海外遠征について少なからず指標としてのレース価値が見いだせないだろうか。ダービー馬はダービー馬からの格言ではないが、凱旋門賞馬は凱旋門賞馬からという意味でも、タフな馬場に抜群の適性を示したクロノジェネシスの凱旋門賞挑戦には期待が膨らむ。残念ながら今年の登録はないため、実現はなさそうだが来年の挑戦はもしかしたらあるかもしれない。

「宝塚記念は梅雨の時期に開催される上に、荒れた馬場になりやすいです。また、この時期にレースを使うと、秋からの復帰のローテーションに余裕がなくなることも避けられる理由といわれています。

ですが、見方を変えればこの条件こそが、高速馬場になりやすい東京の天皇賞やジャパンCよりも、凱旋門賞の適性を推し量る意味でよほど合うのではないかと感じたのも確かです」(競馬記者)

 これまではどちらかというと「嫌われ者」として扱われてきた宝塚記念。だが、凱旋門賞を目標とする馬の適性を見るにも出走した方がいいレースとして、再評価されることに期待したい。

 日本競馬界の悲願達成について、改めて考えさせられた今年の宝塚記念だった。

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