JRA新馬勝ちのみで「G1馬扱い」に陣営も嘆き節!? 物議を醸した「アノ馬」のトップハンデは大誤算か……

 5日、夏のスプリント重賞・CBC賞(G3)が行われる。例年は中京で行われるハンデ重賞だが、今年は開催日程の変更により、阪神競馬場での開催となる。夏の到来を告げる名物レースは熱い戦いが繰り広げられそうだ。

「ハンデは57キロと思っていたけどね」

 そんななか、発表されたハンデに驚きを隠せなかったのはクリノガウディー(牡4、栗東・藤沢則雄厩舎)陣営だ。高松宮記念(G1)で1位に入線したものの、斜行で4着降着となったため、G1制覇が幻に終わった。秋のG1を見据える上で、是が非でも賞金を加算しておきたいのが今回のCBC賞だ。

 ただ、陣営からも不満の声が挙がった58キロは出走メンバー中トップのハンデ。勝利実績が新馬勝ちしかない馬にとっては「酷量」に映っても不思議ではない。過去10年、CBC賞に出走した馬を遡ってみても、58キロ以上のハンデで出走したのはセイウンコウセイやスノードラゴンなど既にG1勝ち実績のあった馬だ。他にマジンプロスパーやダッシャーゴーゴーが該当するが、いずれも重賞勝ちしている。

 その一方で、トップハンデでもやむなしという見方ができるのも確かだ。

 クリノガウディーは18年の朝日杯FS(G1)で2着に敗れたが、このときの3着馬は今年の安田記念を快勝したグランアレグリア。着順こそ降着しての4着だったとはいえ、高松宮記念を先頭で駆け抜けたのは事実である。先日の函館スプリントS(G3)で力の違いを見せて圧勝したダイアトニックも58キロを背負いながら問題にしなかった。

「重賞であと一歩勝ち切れない馬といえば、エタリオウやサウンズオブアースなども似ているかもしれませんね。G1で通用するだけの能力はありながら勝利には届いていません。勝利実績としては新馬勝ちしかないクリノガウディーですが、ハンデキャッパーからは4着降着ではなく、実質G1勝利の扱いにされた印象です。

レッドアンシェルの57キロ、アウィルアウェイの55.5キロなら妥当なところなのかもしれません。18年のスプリンターズS(G1)で2着に入ったラブカンプーが51キロというのは違和感がありますが、近走の不振を考慮すると仕方のない部分もあります」(競馬記者)

 裏を返せばG1級の実力馬であると評価されたわけではあるが、懸念されるのは今年のCBC賞が阪神競馬場で行われることだ。競走馬にとってコース適性は重要なファクターとなるため、例年の中京開催と異なり、好走した高松宮記念の内容をそのまま信頼していいのかは難しい。

 阪神の阪急杯(G3)は高松宮記念よりも距離が1F長い1400mの舞台だったとはいえ、7着と敗れている。それに加えてクリノガウディーはデビュー以来、2戦連続で馬券内に好走したことがない。

 前走で手綱を取った和田竜二騎手から横山典弘騎手に乗り替わることも含め、気になる材料だ。

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