JRA「金子オーナー×中内田厩舎」の黄金タッグ! クロノジェネシス宝塚記念圧勝で評価急上昇の「弟」にG1級の期待

 今年の宝塚記念(G1)はレース30分前の豪雨により、一時は良まで回復していた馬場が急変した。馬場状態の発表こそ稍重だったが、勝ち時計の2分13秒5は過去10年でも最も遅く、上がり3Fでも37秒を超える馬が多数出るまでに悪化した。

 そんなタフなレースながらも直線先頭から2着キセキを6馬身千切る圧勝を見せたのがクロノジェネシスだ。18年の阪神JF(G1)ではダノンファンタジーの2着に敗れ、昨年の秋華賞(G1)で悲願のG1制覇を成し遂げた馬が、G1馬が8頭集まった春のグランプリで牡馬の強豪を蹴散らして、一気に頂点に上り詰めた瞬間だった。

 この勝利により、自身の評価が高まると同時に俄然注目される存在となったのが、弟のクルーク(牡2、栗東・中内田充正厩舎)である。クロノジェネシスの父はバゴだが、モーリスに替わった半弟は昨年のセレクトセールに上場され、5616万円で取引された。

 モーリスと配合されたことで発生したサンデーサイレンスの4×3は、過去の名馬に多く見られた「奇跡の血量」にも当てはまる。母クロノロジストは、昨年のヴィクトリアマイル(G1)を優勝したノームコア(父ハービンジャー)も出しているだけに良血といえるだろう。

 また、クルークを購入したのが、金子真人オーナーであることも注目したい。金子オーナーといえば、クロフネ、キングカメハメハ、ディープインパクトをはじめ、これまでに多くのG1ホースを所有している。個人馬主としては初となる八大競走完全制覇を達成した「相馬眼」の持ち主としても有名だ。

 クルークの母父であるクロフネを所有していたこともあるだけに、オーナーにとっても縁のある血統といえるかもしれない。管理する中内田厩舎も関西で頭角を現している腕利きだけに「金子オーナー×中内田充正厩舎」となれば黄金タッグだろう。

 デビュー時期はまだ決まっていないとはいえ、自ずと期待は大きく膨らむ。

「気掛かりがあるとすれば、6月の新馬戦を未勝利と思うような結果を残せていない父のモーリスでしょうか。ですが、モーリスは古馬になってから本格化を遂げた馬です。

同じく父スクリーンヒーローのゴールドアクターも本格化したのが古馬になってからだったことを考えれば、結論を出すのはまだ早いかもしれません」(競馬記者)

 数多くの名馬を見出した金子オーナーの相馬眼にかなったということであれば、クロークが大物の可能性は十分にある。姉の2頭がG1馬になっていることも強力な後押しとなりそうだ。

 今からデビューが待ち遠しい1頭である。

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