JRAディープインパクト「種牡馬リーディング」2位に“ダブルスコア”の独走! それでも偉大な父サンデーサイレンスの“足元”にも及ばず?
2020年も折り返し地点を迎え、夏競馬真っただ中のJRAでは今週末から後半戦が始まる。
今年の上半期も当たり前のようにディープインパクト産駒が大活躍を見せた。コントレイルが父以来となる無敗の牡馬クラシック2冠に輝いたのをはじめ、フィエールマンとグランアレグリアが古馬G1を制覇。もちろんディープインパクトが種牡馬リーディング首位に立っており、産駒の総獲得賞金は40億円を突破。これは昨年獲得した自己ベストの76億8176万8000円を上回る年間80億円に達するペースだ。
そのディープインパクトは昨年7月に急逝。今年国内で生まれた当歳世代は10頭ほどと少ないため、来年夏にデビューする現1歳世代が事実上のラストクロップとなる。2012年から昨年まで8年間にわたって種牡馬リーディングを獲得しているが、現役産駒が激減する3~4年後には“次代を担う”ロードカナロアをはじめとした新興勢力にその座を明け渡すことになるだろう。
ただし今年に関しては、ディープインパクトとロードカナロアの間にはまだ大きな差がある。
【種牡馬リーディングTOP3(以下、獲得賞金順)、2020年上半期】
1位 40億0905万1000円 ディープインパクト
2位 19億8939万4000円 ロードカナロア
3位 15億2426万5000円 ハーツクライ
現5歳世代が初年度産駒にもかかわらず20億円近く稼いでいるロードカナロアも十分すごいが、それを20億円以上上回るディープインパクトはさすがの一言。下半期の成績次第では、2位に2倍以上の差をつける“ダブルスコア”でのリーディング獲得もあり得る状況だ。ディープインパクトはこれまで、1歳上で種牡馬としてライバルといわれてきたキングカメハメハの存在もあって、ダブルスコアでのリーディング獲得は一度もなかったが、今年ついに自身初の快挙を狙う。
種牡馬というトピックを語るうえで欠かせないのがディープインパクトの父サンデーサイレンスだ。1991年にアメリカから輸入され、わずか10年ほどの間に日本の競馬地図を大きく書き換えた偉大な種牡馬である。
そのサンデーサイレンスが初めて種牡馬リーディングに輝いたのは、初年度産駒がまだ3歳だった1995年。翌96年には、早くも2位ブライアンズタイムにダブルスコアをつけ、大種牡馬としての地位を不動のものとした。その後、2007年まで13年連続で種牡馬リーディングに輝いたが、2位に2倍以上の差をつけるダブルスコアは10回、2位に3倍以上の差をつける“トリプルスコア”も3回に上った。
種牡馬としてサンデーサイレンスとディープインパクトを比較すると、直仔の活躍だけでなく、後継種牡馬の数や質の面でもやはり父サンデーサイレンスが圧倒しているのは間違いないだろう。ただし、ディープインパクトがサンデーサイレンスの種牡馬晩年に誕生したように、今後コントレイルをも上回るようなディープインパクト産駒が登場するかもしれない。
残された産駒の活躍で、種牡馬ディープインパクトは偉大な父サンデーサイレンスに少しでも近づけるだろうか。