JRA福永祐一「自作自演」の9馬身差圧勝劇に焦り!? エピファネイア産駒ロールオブサンダーが菊花賞(G1)打倒コントレイルに急浮上!
重賞勝ちを期待されながら、ここまでもどかしい競馬が続いていたロールオブサンダー。デビューから2連勝で挑んだ昨年の京都2歳S(G3)ではマイラプソディの前に3着と敗れ、年明けの京成杯(G3)を使われるも7着に敗れて皐月賞(G1)は出走ならず。日本ダービー(G1)出走権を懸けた青葉賞(G2)も7着と、結局春のクラシック出走はならなかった。
だが、ロールオブサンダー陣営は距離が伸びて真価が発揮できると信じていた。最後のクラシック出走に、阪神外回りの芝2400メートルで結果を出せたことは、淀の3000メートルに向け、長距離適性を確認するにはもってこいだったといえる。
レースは好発からすんなりハナに立つと、他に主張してくる馬はおらずマイペースでラップを刻んだ。直線に入って追い出されても後続との差は、詰まるどころかますます広がるばかり。2着に入った1番人気ヒートオンビートの上がり3ハロンが36秒2に対し、ロールオブサンダーは35秒フラット。これでは9馬身の差がついたのも仕方がなかったか。
レース後のコメントで福永騎手は「やはり能力は高いですし、自分の形に持ち込めば強いですね」とパートナーの能力の高さを認め、管理する橋口慎介調教師も「元々、長い距離が良いと思っていましたし、菊花賞を使いたいと思っていました」と最後の一冠を視野に入れた。
また、兵庫特別といえば出世レースとしても知られている。2010年の勝ち馬ビートブラックは菊花賞で3着に入り、12年の天皇賞・春(G1)はオルフェーヴルを破って大波乱の立役者となっている。13年の勝ち馬バンデも菊花賞で3着に入っており、穴党の間でも密かに注目されているレースでもある。
「いやあ、強かったですね。マイペースで走れたとはいえ、ここまで楽勝したのは驚きました。父のエピファネイアは春のクラシックを惜敗し、念願のG1勝利は菊花賞でした。
牝馬でデアリングタクトを出したように期待の種牡馬ですし、このまま順調に行ければ、本番でも面白い存在になりそうです。今年の牡馬クラシックは福永騎手が主戦を務めるコントレイルが断然の存在ですが、今回の圧勝劇を自ら演出した福永騎手も思うところがあるでしょうね」(競馬記者)
また、過去10年の兵庫特別で13年バンデが2着馬につけた1秒差が最大だったが、ロールオブサンダーはこれを大きく上回る1秒5差だったことは衝撃的だ。
これだけでも菊花賞の穴馬として資格を十分に満たしているといえるかもしれない。無敗三冠を目指すコントレイルと福永騎手に思わぬ強敵が浮上した。