JRA ダート名馬のラストクロップが7馬身差の圧勝V!! 最終世代「希望の星」がライバルを圧倒
4日、土曜福島6R・2歳新馬(ダ1150m)を田辺裕信騎手の2番人気ミスズグランドオー(牡3、美浦・伊藤圭三厩舎)が、2着に7馬身差をつけて圧勝。2歳コースレコードタイとなる1分8秒5も記録し、今後にはずみをつけた。
ミスズグランドオーの父は2003年JBCスプリント(G1)などを勝ったサウスヴィグラス、母はスズカシャンティー、G1競走6勝のGiant’s Causewayという血統を持つ。
田辺騎手を背に好スタートを決めたミスズグランドオーは、逃げたアヴォカドとハナの奪い合いを展開しつつ、2番手で進む。そして最後の直線を迎えると、田辺騎手の激に応えて弾けるように進出。あっという間にトップに立つとそのまま後続をぐんぐん引き離し、トップでゴール板を駆け抜けた。
レース後、田辺騎手は、「ゲートもそれなりに出て、いい位置で流れに乗れた」とレースぶりを評価し、さらに「初戦としてはいい内容」と満足気に振り返っていた。
「ミスズグランドオーの父馬サウスヴィグラスの産駒の多くは地方競馬で活躍。JRA重賞の勝ちこそ、2011年ナムラタイタンの武蔵野S(G3)のみでしたが、2009、12年NAR年度代表馬ラブミーチャン、2015年のJBCスプリントを勝ったコーリンベリー、2017年NAR年度代表馬ヒガシウィルウィンなど多くの名馬を輩出。4度の地方競馬リーディングサイアーに輝いています。
ところが、サウスヴィグラスは18年1月にせん痛を発症。手術を行い、回復が待たれましたが、その2カ月後にこの世を去りました。現2歳勢がサウスヴィグラス産駒の最終世代となりますが、楽しみな1頭が登場しましたね。これから父馬を彷彿とさせる活躍を期待したいです」(競馬誌ライター)
圧巻の勝利を飾り今後の飛躍が待たれるミスズグランドオー。近年、福島ダ1150mでデビュー戦を圧勝した馬は18年に2着に4馬身差をつけたホールドユアハンド、翌年に6馬身差もつけたオヌシナニモノなどがいる。しかし、スケール感がある勝ち方を見せたものの、いずれもその重賞勝ちを収めるなどはできていない。
サウスヴィグラス産駒最後の大物候補・ミスズグランドオー。これからも目覚ましい活躍を見せ、ナムラタイタン以来となるJRA重賞勝利を亡き父に捧げることができるだろうか? これからを見守りたい。