JRA地方からの怪物「10馬身差」の衝撃再び!? 先週から続く逃げ馬「絶好調」の流れは、“確勝級”のアノ馬にとって「虎に翼」か
先週末、阪神競馬場でCBC賞(G3)、福島競馬場でラジオNIKKEI賞(G3)が行われ、それぞれ13番人気ラブカンプー、8番人気バビットが逃げ切り勝ちという大波乱の結果となった。
その約8時間後、日本から約9000キロ離れたイギリスのサンダウン競馬場では、エクリプスS(G1)が開催された。世界最強馬・エネイブルの始動戦ということで大きな注目を集めたが、結果はガイヤースの逃げ切り勝ち。見事に最強馬から大金星をもぎ取った。
実は、前日の英ダービー(G1)でも波乱が起きていた。同レースを制したサーペンタインは1週前に未勝利戦を勝ち上がったばかりの人気薄。A.オブライエン厩舎が送り込んだペースメーカーと目されていたが、そのまま逃げ切り5馬身半差の圧勝を決めたのだ。
このように波乱づくしの先週末のビッグレースは、「逃げ馬」がひとつのキーワードだった。
さらに、逃げ馬好調の流れが続いていることを感じさせたのが、8日(水)に大井競馬場で行われたジャパンダートダービー(G1)である。逃げた4番人気ダイメイコリーダが2着、同馬を2番手からマークしてレースを進めた6番人気ダノンファラオが1着という結果に終わったのだ。単勝オッズ1.1倍の圧倒的1番人気のカフェファラオは、まるで逃げ馬の勢いに飲まれるかのように7着に敗れた。
この流れを踏まえた上で、12日の福島12R(2勝クラス・ダート1150m)に出走するダンシングプリンス(牡4歳、美浦・宮田敬介厩舎)に注目したい。
地方から再転入後、初戦となった前走(1勝クラス)は前半600mを33秒5で逃げたダンシングプリンス。いくら1200m戦とはいえ、良馬場のダートではかなりのハイペースだ。これには後続もついていくことが出来ず、最後の直線を向いた時には約4馬身のリード。結局、直線では差が開く一方で、ジョッキーはほとんど手綱を持ったまま「10馬身差」の圧勝を飾った。
「前走の勝ち時計1分10秒3は同日に行われた春風S(3勝クラス)よりも、0秒2早いタイムです。今回、2勝クラスに挑戦することになりますが、すでに自らのペースでオープン級の時計を記録していますから、ここは楽に突破するのではないでしょうか。陣営は来年のドバイで使いたいと言っているぐらいの期待馬ですからね」(競馬記者)
元々、ダンシングプリンスは中央競馬でデビューしたが、芝では芽が出ず船橋競馬へ移籍。これが転機のきっかけとなり、船橋では3戦3勝とダートで逃げて無類の強さを発揮した。これまでダート戦で2着につけた着差は「大差」「8馬身」「5馬身」「10馬身」と短距離レースながらも、圧倒的な着差をつけているのだ。
まさに“確勝級”といっても過言ではなさそうなダンシングプリンス。今週末の締めくくりとなる福島12Rはまたしても「逃げ馬」の天下となるのではないだろうか。