JRA函館記念(G3)レイエンダ「好調教」でも狙えない理由……兄レイデオロにも襲い掛かった血の宿命とは!?

 19日、函館競馬場ではサマー2000シリーズの第2戦・函館記念(G3)が行われる。北の大地で開催される夏のローカルハンデ重賞は、荒れるレースとしても有名だ。昨年こそ1番人気マイスタイルが優勝したものの、それまで12年連続で1番人気が連敗しているように、人気馬が信用できない傾向にある。

『netkeiba.com』の函館記念出走予定馬の想定オッズによると、レイエンダ(牡5、美浦・藤沢和雄厩舎)が、カウディーリョ、トーラスジェミニ、ニシノデイジーを少し離して今年の1番人気になりそうだ。

 3番人気に支持された前走のエプソムC(G3)は、18頭立ての最低人気だったトーラスジェミニが3着に逃げ残ったように前残りの不良馬場での敗戦。後方待機策を採ったレイエンダには苦しい展開だったことは度外視できる。函館コースは18年に松前特別(2勝クラス)でデビュー3連勝を決めた好相性の舞台。C.ルメール騎手×藤沢和雄厩舎の名コンビだけに大きな注目が集まるだろう。

 巻き返しを期す函館記念の追い切りは、芝コースで同じく出走予定の僚馬ランフォザローゼスと併せて5ハロン68秒0-ラスト1ハロン12秒0の好時計をマーク。終始楽な手応えで良化を予感させる内容だった。

 全兄レイデオロは日本ダービー(G1)、天皇賞・秋(G1)を勝利した名馬だ。兄がG1を勝ったこともあり、弟のレイエンダにも大きな期待が寄せられたが、勝利したのは昨年のエプソムCのみ。偉大な兄に少しでも追いつくためにも結果を出したい。

 だが、その一方で1年以上、勝利から遠ざかっていることも確かだ。富士S(G3)の2着やダービー卿CT(G3)の3着があるとはいえ好走まで。二桁着順に大敗することもしばしばあった。追い切りこそ動いたとはいえ、信用していいのかは疑問が残る。

「ダービー馬の弟ということもあって期待されていましたが、セントライト記念(G2)を2着に敗れたあたりから、壁にぶつかりました。唯一の重賞勝ちであるエプソムCにしても、あの時の東京コースは完全に前残りの馬場だった恩恵が大きい印象です。

馬の実力より、超スローペースで2番手につけたルメール騎手の好判断がハマったというのが本当のところでしょう。その後のレースぶりを見ていても、伸びしろがあるかどうかは微妙な成績ですし、ピークを過ぎた感すらあります」(競馬記者)

 血統的に成長力に疑問が残るのも確かだ。兄のレイデオロ、ティソーナいずれも勝利を飾ったのは4歳時までで、5歳以降は未勝利のまま引退している。奇しくもレイエンダも昨年のエプソムCを勝利したのは4歳、以降は連敗を続けているのは兄達と同じだ。

 もしかしたら祖母レディブロンドの血が影響している可能性もあるかもしれない。レディブロンドの母はウインドインハーヘア。ディープインパクトの姉にあたる。

 多数のG1馬を輩出したディープインパクトだが、比較的早い時期から強さを見せる一方で、マカヒキやワグネリアンのように、古馬となってから別馬のように勝てなくなる馬が多いことも産駒の特徴でもある。

 レイエンダにも母系に同じ血が流れているだけに、成長が止まっているとしたら、函館記念では危険な人気馬となりそうだ。

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