JRAダノックス「4億円」大誤算!? 武豊モンファボリ函館2歳S(G3)大敗で弟の評価に早くも暗雲か
18日、土曜函館のメイン・函館2歳S(G3)は単勝1.5倍の圧倒的な支持を受けたモンファボリ(牝2、栗東・須貝尚介厩舎)が13着に大敗。2歳世代最初の重賞を勝ったのは10番人気のリンゴアメだった。
コンビを組んだ武豊騎手も期待馬の不可解な敗戦に「よくわかりません」とコメントするのが精一杯。キャリアの浅い馬には、前半から激しく競り合う展開も厳しかったか。
その一方で、姉の凡走に衝撃を受けたのが(株)ダノックスかもしれない。
13日に開催された今年のセレクトセール・1歳部門でモンファボリの半弟にあたるフォエヴァーダーリングの2019(父ディープインパクト)が、一時は1歳セリ史上最高額を更新する4億円で落札された。
同馬を落札したダノックスの岡田良樹ディレクターは「一番の決断理由は血統と、上(モンファボリ)が函館で新馬勝ちした実績があったからです」とコメント。
それもそのはず、武豊騎手を背にデビューしたモンファボリは先頭に立つと、自ら刻んだハイペースで逃げ切り、2着馬に5馬身差をつける大楽勝。1分08秒7の勝ち時計は、函館2歳芝1200メートル戦のレコード。
例年、セレクトセール前には出品を予定されている馬の兄弟や近親のデビューが多くなる傾向にある。その活躍次第で評価額が大きく左右されるため、姉のモンファボリの新馬勝ちが、弟の評価額の高騰に大きな影響を与えたことは間違いないだろう。
それだけに、モンファボリの新馬勝ちを評価して弟を高額落札したダノックスにとっても姉の大敗は大誤算だったといえるだろう。
「弟の父が昨年亡くなったディープインパクトだったことも、セリの激化に拍車がかかりましたね。同馬の産駒はただでさえ、軒並み高額で取引されていました。弟に大きな期待をかけているダノックスとしては軽視できない結果となってしまいました。
ただ、鮮烈なデビュー勝ちをしたとはいえ、モンファボリはまだ1勝馬ですから。函館2歳Sの敗戦だけで評価を下すのは早計です。次走で巻き返して欲しいですね」(競馬記者)
6億円で落札されたアドマイヤビルゴがクラシック出走できなかったのに対して、牝馬クラシック2冠を無敗で制したデアリングタクトは1200万円で取引された馬だった。高額馬が必ずしも大物とは限らないのは珍しい話ではない。
ダノンファラオがJDD(G1)を優勝したとはいえ、JRA・G1では苦戦が続いているダノックス。姉の凡走で早くも評価が揺らぎつつあるフォエヴァーダーリングの2019は、はたしてお買い得だったのか。
デビュー戦に大きな注目が集まることだろう。