2歳ダートの「超大物」エピカリスが後続に2.4秒差をつける大差で初の重賞勝ち!高まる「世界制覇」の期待とは裏腹に陣営が慎重になる理由とは
各馬にムチが入り、完全にスパート態勢になっているのを尻目に、ルメール騎手が手綱をわずかに扱いただけで、あっという間に後続を突き放したエピカリス。一瞬のうちに5馬身以上のセーフティリードを築き上げると、終始馬なりのままデビュー3連勝を飾った。
一体どこまで強いのか、最後の直線はまさに別次元の独走劇だった。最終的に後続に付けた差は2.4秒という大差。この世代のダート路線は、まずはこの馬を中心に展開することが決定づけられたような勝利だった。
「とても乗りやすい馬です。今日はいいスタートを切って、誰も行かなかったので自分でハナを取りにいきました。前でリラックスして走っていました。だんだんペースを上げていって、簡単に勝ちました。今日は強かったです。次が楽しみです。今日はメチャ寒かったけど、みなさん応援してくれてありがとうございました」
そうしたルメール騎手のコメントをサンケイスポーツが報じているように、この日は終始エピカリスの独壇場。なお、単勝は1.0倍の元返しとなっている。
その上で気になるのは、やはりエピカリスの今後の進路だろう。
今春、ラニが日本競馬で初めてUAEダービー(G2)を制して、米クラシックにフル参戦したことで”現実的”な選択肢が大きく広がった3歳ダート路線。今のところ、同世代で卓越した能力を持っているエピカリスには、ぜひともその後に続いてほしいところだが、どうやら陣営には慎重にならざるを得ない理由があるようだ。
「エピカリスを管理する萩原清調教師は2011年にオーブルチェフという馬で、この北海道2歳優駿を制しています。この時も後続に8馬身差をつける圧勝劇で、オーブルチェフも大きな期待を背負っていました。その後、順調に全日本2歳優駿(G1)も勝ったオーブルチェフですが、満を持してUAEダービー挑戦を決めた直後に左脚を骨折。2年以上の月日を掛けて復帰しましたが、以前の姿を取り戻すことなく引退しています」(競馬記者)