JRA武豊に「黄色信号」!? キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1)エネイブル「完全復活」の裏で、あの馬は“16馬身差”の惨敗で秋は絶望か……

 25日、イギリスのアスコット競馬場で行われたキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1、以下キングジョージ)はエネイブルが復活の勝利を飾った。この勝利でエネイブルは史上初の同レース3勝目となり、鞍上のL.デットーリ騎手は最多タイの7勝目という快挙となった。

 当初、8頭の出走登録があったキングジョージ。だが、木曜の段階で出走馬が4頭に減り、レース前日にアンソニーヴァンダイクが出走取消となったことで、異例の3頭立てでの開催となった。

少数精鋭でのレースとなったが、エネイブルは最後の直線で余力十分に抜け出しを図ると、ライバル2頭を置き去り。2着ソヴリンに5馬身半、3着ジャパンにそこからさらに11馬身もの大差をつけてゴールした。エクリプスS(G1)でまさかの敗戦を喫してから、わずか1か月足らずで女王は再び貫禄を見せつけた。このパフォーマンスを受けて、欧州ブックメーカー各社の凱旋門賞(G1)のオッズで、エネイブルが1位に返り咲いた。

 エネイブルの次走は英インターナショナルS(G1)とヨークシャーオークス(G1)が候補に挙がっており、その後最大目標である凱旋門賞に挑戦することになる。

 また、翌日にアイルランドのカラ競馬場で行われたタタソールズゴールドC(G1)はA.オブライエン厩舎所属馬のマジカル、サードラゴネットによるワンツー決着となった。こちらの2頭はキングジョージにも登録していたが、矛先を地元G1に変更。しっかりと結果を残すことができた。

 勝ち馬マジカルはエネイブルのライバルと目される牝馬。今年初戦のプリティポリーS(G1)に続いて2連勝となり、今年も凱旋門賞での好走必至といったところだろう。

 有力馬が凱旋門賞に向けて順調な一方で、不安を残す形になったのがキングジョージで最下位の3着に敗れたジャパン(牡4歳、愛・A.オブライエン厩舎)だ。

 今年、日本の馬主キーファーズがクールモアグループと共同所有することが発表されたジャパン。昨年、英インターナショナルSを制し、凱旋門賞で4着という結果を残している世界屈指の実力馬である。共同所有契約の中には「凱旋門賞は武豊騎手」というリクエストが盛り込まれているため、武豊騎手にとって初の凱旋門賞制覇がかかる相棒でもあるのだ。

 しかし、今年の始動戦プリンスオブウェールズS(G1)で4着に敗れたことで雲行きが怪しくなる。次走のエクリプスSではエネイブルとアタマ差の3着と、復調気配が感じられたが、キングジョージでは見せ場なく3着に敗れたことで再び不安を残すことになった。

「キングジョージでジャパンに騎乗したのはオブライエン厩舎のエース・R.ムーア騎手です。同厩のソヴリンがペースメーカーの役割を兼ねてハナを切ったのだと考えられます。ジャパンはエネイブルをマークする位置取りでレースを進めたことから、陣営はジャパンでエネイブルを倒そうとしていたはずです。

しかし、ソヴリンから11馬身差の3着と全く見せ場なしの結果ですからね。今年に入って明らかに成績を落としていますし、オブライエン厩舎の中での序列は下がってしまうのではないでしょうか。オーナーの意向次第ですが、凱旋門賞に挑戦することすら怪しくなるかもしれないですね」(競馬記者)

 現在の社会情勢を考えると、武豊騎手とジャパンのコンビが見られるかどうかは不透明ではあるが、日本の競馬ファンの多くは実現することを熱望しているはず。そのためにも、凱旋門賞に向けて、ジャパンが復活することに期待したい。

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