JRA「2歳戦」勢力図に大きな異変!? わずか1ヶ月で様変わりした好不調の波!明暗分かれた種牡馬成績、実は「大不振」だったあのライバルたち
来年のクラシックを目指して6月から多くの2歳馬がデビューしたが、7月に入って傾向に変化が表れ始めたこともあり、この2ヶ月で好結果を残した種牡馬と騎手を振り返ってみたい。
まずは7月に行われた2歳戦における種牡馬成績の一覧から。
ドゥラメンテ 4.4.4.5/17、勝率23.5%
ダイワメジャー 4.1.0.15/20、勝率20.0%
リオンディーズ 4.0.2.14/20、勝率20.0%
ゴールドシップ 3.1.1.6/11、勝率27.3%
アジアエクスプレス 3.1.0.6/10、勝率30.0%
特に目立った活躍を見せたのは6月から大幅に勝ち星を伸ばしたドゥラメンテ。新種牡馬のライバルと目されていたモーリスと同じく期待されていたほど産駒が活躍できないでいたが、7月に入って大躍進を遂げた。次に好成績を上げたのはダイワメジャー。夏のローカルということで得意とする短距離戦が多く組まれていることが追い風となっているようだ。
リオンディーズは珍名馬ピンクカメハメハが芝の1800m戦を勝利した以外にも、短距離でも勝利を挙げた。ゴールドシップは主に芝の中距離、アジアエクスプレスは3勝すべてがダートの短距離で挙げたものだ。
次に不振が目立った種牡馬が以下である。
キズナ 1.4.3.14/22、勝率4.5%
エピファネイア 1.3.4.15/23、勝率4.3%
スクリーンヒーロー 1.2.2.10/15、勝率6.7%
モーリス 1.2.1.7/11、勝率9.1%
今年のクラシックを大いに盛り上げたキズナとエピファネイアがまさかの大不振となった。昨年ブレイクした2頭だけにこの急降下は少し気になるところである。”2年目のジンクス”が立ちはだかったか。
モーリスとスクリーンヒーローは親子揃って好成績を残せなかった。既にG1馬を輩出した実績のある父のスクリーンヒーローはともかく、モーリスはかなりの悲惨な状況といえるかもしれない。
同じように伸び悩んでいたドゥラメンテが評価を覆しただけに、モーリスの一人負けが余計に際立つ結果となってしまった。
「関係者の評価からもドゥラメンテはいずれ持ち直すのではないかと言われていましたから驚くほどでもないのですが、モーリスはいよいよ深刻な気がしますね。モーリス自身も奥手のタイプでしたから将来的にはまだ未知数とはいえ、さすがに心配になってきました。
ゴールドシップとリオンディーズについては繁殖牝馬の質的にも大健闘といえるでしょう。クラシックでもゴールドシップ産駒は活躍していましたし、今後も期待出来そうです。リオンディーズも現役時代のイメージほど気性に難のある馬が出ていないのも好感です」(競馬記者)
意外だったのはキズナとエピファネイア産駒の不振だろう。今年は2年目の世代となるが、現状では期待を裏切る成績といえるかもしれない。
ただ、この2頭は初年度からそれなりに産駒が結果を残しただけに、これからの巻き返しに注目したいところだ。