JRA“元大関”タイムフライヤー復活へ「照ノ富士優勝」が強烈サイン!? エルムS(G3)かつての芝G1馬がダート王を目指す!
今週9日、札幌競馬場で行なわれるエルムS(G3)にタイムフライヤー(牡5歳、栗東・松田国英厩舎)が出走してくる。
前走マリーンS(OP)を3馬身半差で快勝し、2017年のホープフルS(G1)制覇以来、実に2年半ぶりに勝利を飾って重賞戦線に帰ってきた。
タイムフライヤーは2歳時にホープフルS(G1)で圧勝し、5戦3勝2着2回と連対率100%で、一躍クラシック候補となった。だが、引っ掛かる気性とトモの緩みが出世を妨げてしまったのか、レースをうまく運ぶことができず、長い間スランプに陥ってしまう。
ようやくトモの緩みが解消したのが昨年4歳の夏で、これを機に陣営は思い切ってダートへ路線を変更する。掛かる気性は、耳ありのブリンカーを着用するなど自分のレースに集中させる工夫をした。
その甲斐があり、昨年11月の武蔵野S(G3)では2着。ダート重賞で戦えるメドを立て、今年のマリーンS快勝。タイムフライヤーは重賞の舞台に戻ってきたのだ。
「タイムフライヤーの前走を『展開が向いただけ』という声が一部にあるようですが、そうとも言い切れません。
タイムフライヤーが道中少しでも引っ掛かってしまうと最後に疲れてしまうので、C.ルメール騎手は3コーナーまでリラックスして走らせることにしました。すると、タイムフライヤーは、そこから自分でハミを取って動いていったというのです。
ルメール騎手は『最後は他の馬と違うクラス(レベル)だったね。めちゃくちゃ強かった』と勝ったタイムフライヤーを絶賛。ホープフルSを勝った時のような強さが戻りつつあるのかもしれません」(競馬記者)
陣営は、この気性の成長を長い間待っていたのである。余裕を持って走ることができるようになった今、2歳でG1馬になったポテンシャルが全開になる日は近いかもしれない。
このタイムフライヤーの足跡を見ると、ふと、先日幕内優勝を飾った元大関・照ノ富士の姿と重なってくる。
照ノ富士は大関から陥落して、下から2番目のクラスである序二段まで番付が下がったが、そこから這い上がり、2年半ぶりに幕内に復帰して優勝を飾った。
タイムフライヤーもかつてホープフルS(G1)を制して、クラシックを迎えた際は一部メディアの「クラシック番付」で後のダービー馬ワグネリアンの横綱に次ぐ、大関の評価を得ていた存在。長いスランプを経験し2年半ぶりの勝利を経て、いま輝きを取り戻しつつある。
今回挑むエルムSは昨年6着。リベンジして完全復活を果たし、再び頂へと邁進して行きたいところだ。