JRAグランプリ完全制覇の名牝リスグラシュー妹が満を持しての復帰戦!! 不安払拭で姉同様のパフォーマンスが見られる!?
期待の良血牝馬が満を持しての復帰戦を迎える。
半姉にリスグラシュー(父ハーツクライ)を持つリリレフア(父ロードカナロア、牝3歳、栗東・矢作芳人厩舎)が、今週8日(土)の札幌競馬(3歳未勝利)にて出走を予定している。
姉は言わずもがなの名牝でG1・4勝、2着5回という華々しい成績でターフを去った。
特にラスト3戦は圧巻の一言だ。昨年の宝塚記念(G1)では2番手につける先行策で、2着キセキに0.5秒差の圧勝。オーストラリアに遠征したコックスプレート(G1)では、後方からの競馬で2着に1馬身半差で完勝。
そして、極め付けは有馬記念。馬群中団でレースを進め、直線で外に持ち出されると抜群の手応えから一気に突き抜けた。その差は、2着サートゥルナーリアに0.8秒と大楽勝である。
G1レース3連勝で有終の美を飾った、昨年末の有馬記念はまだ記憶に新しい事だろう。
そんな歴史的名牝の妹である本馬は、その血統背景からデビュー戦で1番人気に支持されるなど注目を集めた。だが、デビュー戦、続く2戦目と、ともに伸び切れない競馬が続き4着に惜敗している。
その後ノーザンファームしがらきに放牧へ出されていた本馬であったが、今年1月に左前の歩様が少し乱れ、トレッドミル(人間でいうランニングマシン)で様子を見ていたが、2月半ばに再度乗り運動を行ったところ左前脚に再度歩様の乱れ……。
ノーザンファーム天栄を経由してノーザンファーム早来へと移動した本馬は、左前膝、第3手根骨の形を整えた方が良さそうとの診断で、骨のクリーニング手術を受けた。第3手根骨とは、いわゆる管骨の事で、ソエなどを引き起こす部分である。
「姉と違いサンデーサイレンスの血を持っていない血統なので、瞬発力不足を露呈したという意見もあるようですが、一概にそれだけとは言えないですよ。馬自身がレース中に何かしらの違和感を覚えていた事は否定できませんから……」(競馬記者)
手術後は至って順調に調教メニューを消化し、一時は500㎏近くあった馬体が490㎏前後まで絞れてきたという。先月25日に札幌競馬場へ帰厩し、29日はダートコースで1週前追い切りを行っている。
「今回も手綱を取る予定の坂井瑠星騎手が騎乗し、5ハロン69.0 – 53.7 – 39.4 – 12.5。併せ馬で一杯に追い切り、意欲的な攻めが出来ましたね。デビュー当初は448㎏とそこまで大きくない馬でしたが、馬体重は以前と比べてかなり増えているようです。体に幅が出て、見た目は去年の印象とはまるで違うとの事でしたよ。
長期の休養明けで若干重たさは感じるようですが、1週前追い切りでシッカリと負荷をかけたので、動ける状態には仕上がったんじゃないでしょうか」(同)
今年最後の3歳未勝利戦は9月6日(日)までと、あとわずか。
勝利が至上命題となるが、不安が取り除かれた今、姉同様圧巻のパフォーマンスが見られる事を期待したい。