JRA武豊のパートナーにも不安が……。エポカドーロ、札幌記念(G2)での復帰叶わず「無念」の引退へ。「長期休養」からの復帰困難は過去にも

 6日、2018年の皐月賞(G1)を制したエポカドーロ(牡5歳、栗東・藤原英昭厩舎)が引退することが明らかになった。

 昨年の大阪杯(G1)で10着に敗れたエポカドーロ。レース後、鼻出血を発症していたことが判明し休養に入った。休養中には腸捻転を発症するなど、病との戦いが続いた。

 今年、3月の金鯱賞(G2)で復帰が予定されたが、体調が整わず放牧へ。再度、23日の札幌記念(G2)での復帰を目指して、栗東トレセンで調整されていた。しかし、体調が整わず復帰を断念して、引退することになった。

 エポカドーロはすでに種牡馬入りが決定しており、今後はオルフェーヴルの代表産駒として、その血を残すことが使命となる。

 また、長期休養からそのまま引退といえば、思い出されるのが17年の青葉賞(G2)勝ち馬アドミラブルだ。

 3連勝で青葉賞を制したアドミラブルは、日本ダービー(G1)で1番人気に推された。レースは1000m通過が63秒2という超スローペース。これを察知したC.ルメール騎手が、向こう正面で早くも進出を開始したことが功を奏し、レイデオロが優勝した。その一方、後方からレースを進めたアドミラブルは、上がり最速の末脚で追い込むも3着に敗れた。

 負けてなお強しの内容だったアドミラブルには、秋以降の活躍が期待された。だが、放牧先で脚部不安を発症していることが判明。翌年の秋を復帰目標に休養に入った。

 ついに復帰の目途が立ったのが、ダービーから約2年後。5月のメトロポリタンS(L)を目指して調整されていたが、トレセン内で腸骨を骨折して全治9ヶ月の診断。そのまま引退することになってしまった。

「エポカドーロとアドミラブルとはちょっと違いますが、ダービー馬ロジユニヴァースも思い出されますね。2年間の長期休養から札幌記念で復帰しましたが、最下位の14着に敗れて、そのまま引退。この馬も3歳のころから脚部不安との戦いで、結局いい頃のパフォーマンスを取り戻せませんでした。

同じような印象で不安に感じられる現役馬が、ワールドプレミアです。体調が整わないことを理由に春全休となって、現在ノーザンファーム早来で調整されています。しかし、今なお復帰レースは未定です。ケガではなく、体調不良という理由だけに心配ですね」(競馬記者)

 ワールドプレミアといえば、昨年の菊花賞馬で、有馬記念(G1)でも3着に入った4歳世代を代表する1頭だ。武豊騎手にとっても、古馬G1を戦う上で重要なパートナーである。

 サートゥルナーリア、ダノンキングリー、アドマイヤマーズなどがいる4歳牡馬だが、春G1は未勝利に終わっており、世代レベルに疑いの目が向けられつつある。その状況を打破するためにも、ワールドプレミアに寄せられる期待も大きい。

 4歳牡馬“最後の砦”となるかもしれないワールドプレミア。万全の体調でターフに戻ってくることを願いたい。

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