JRA「関東劣勢」も、戸崎圭太は関係なし!? サンデーサイレンス“奇跡の血量”のヴィルヘルム、新潟デビューであのダービー馬に続け!
異例の札幌、新潟の2場開催も残すところ今週末の開催のみとなった。例年であれば、小倉開催に参戦する関西所属の騎手と競走馬が、今年は新潟に流れ込んでいる状況である。
その結果、新潟で行われた4日間の開催(48レース)のうち、関西馬が34勝と関東馬を圧倒。また、騎手でも関西所属騎手が35勝と、「西高東低」があらわになった。
その状況の中、9日新潟5Rの新馬戦(芝2000m)でヴィルヘルム(牡2歳、栗東・池江泰寿厩舎)が注目の関西馬としてデビューする。
父エピファネイア、母カイゼリンという血統のヴィルヘルム。祖母ブロードアピールは現役時代に重賞6勝を挙げた名牝だ。また、近親にあたるブロードアピールの孫には、2018年のダービー馬ワグネリアンがいる良血馬である。中京芝2000mでデビューしたワグネリアンと同じく、ヴィルヘルムが芝2000mを初戦に選んだことはクラシックを意識していると言えるだろう。
また、ワグネリアンは父ディープインパクト、母父キングカメハメハで、アウトブリードの配合だった。それに対して、ヴィルヘルムは父母シーザリオ、母父アドマイヤベガと父系、母系ともにサンデーサイレンスの血が入っており、「3×4」のクロスが発生している。また、ヘイルトゥリーズンの5×5、ノーザンダンサーの5×5というクロスが入っていることも注目だ。
5日の最終追い切りは栗東CWコースで、4ハロン55秒3、ラスト11秒7と終い重点の内容。1週前追い切りは、同コースで6ハロン80秒7、ラスト12秒4と好時計をマークしており、万全の仕上げと言えるだろう。
「入厩した時よりも、体質が強くなったと陣営は話しています。エピファネイア産駒ですが、気性面も大丈夫そうなので、デビュー戦から期待できそうな注目馬ですよ」(競馬記者)
鞍上を務めるのは戸崎圭太騎手。新潟で劣勢の関東ジョッキーだが、同騎手においては心配する必要はなさそうだ。
この2週間、新潟で騎乗した戸崎騎手は2勝、2着2回。関東騎手ではトップの成績で、そのうち1勝、2着2回は初騎乗の関西馬でのもの。わずか5鞍しかない関西馬の騎乗で、しっかりと結果を出しており、連対率は60%を記録している。調教でも騎乗する機会のない馬で期待に応えられるのは、さすがトップジョッキーといったところだ。
戸崎騎手はヴィルヘルムの調教に跨っていないが、この結果を見る限りは問題ないだろう。
死角なしに思われる良血馬ヴィルヘルムは、デビュー戦でどのような走りを見せるだろうか。楽しみなレースとなりそうだ。