JRA戸崎圭太、名伯楽から痛烈“ダメ出し”……レパードS(G3)意地の3着→最終レース「13番人気3着」締め!
昨年11月の落馬事故から復帰後、重賞勝利こそないが、着実に勝ち鞍を積み重ねている戸崎圭太騎手。しかし、8月に入ってからは勝利がなく、この週末(8月8~9日)は2つの新馬戦で1番人気を裏切るというホロ苦い結果となった。
まず8日(土)の新潟5R「2歳新馬」では、単勝1番人気(2.4倍)のレッドベルオーブ(牡2歳、栗東・藤原英昭厩舎)に騎乗。好スタートから道中は7番手の好位を進んだ。直線ジリジリと脚を伸ばしたが、勝ち馬にアタマ差及ばず2着に敗れた。
この敗戦には、レッドベルオーブを管理する藤原調教師も苦言を呈したようだ。
「あれだけスタート出たのなら、もっと前に行かないと。ジョッキーが調教に乗っていないので、気を使いながら折り合い重視になってしまった印象。乗り方ひとつで勝てていたでしょう」(東京サラブレッドクラブ発表)
名伯楽からまさかの「ダメ出し」ともいえる言葉が並んだ。雨が降りしきるなか行われたレース。JRAの発表は「稍重」だったが、実際は「重」に近い馬場状態だった(8Rから稍重→重に変更)。午前中のレースでも前残りの傾向があっただけに、藤原調教師も戸崎騎手の位置取りに不満を感じての率直な発言だったのだろう。
戸崎騎手は、翌9日(日)の新潟5R「2歳新馬」でも単勝1番人気(2.3倍)のヴィルヘルム(牡2歳、栗東・池江泰寿厩舎)に騎乗。不良馬場に悪化したなか行われ、前日の騎乗とは裏腹に果敢にハナを切った。しかし、他の有力馬にマークされる形となり、直線で失速……上位3頭から大きく離される4着に敗れた。
「2頭の厩舎は違いますが、前日に藤原調教師から“ダメ出し”されたことが戸崎騎手の頭の中に残っていたのでしょう。押し出される形だったとはいえ、中途半端に逃げてしまったのは悔やまれます。レッドベルオーブは東京サラブレッドクラブ、ヴィルヘルムはキャロットファームの世代でも屈指の期待馬だっただけに、戸崎騎手も心中穏やかではなかったはずです」(競馬誌ライター)
2日連続で2歳の期待馬を飛ばし、普通の騎手なら尾を引きそうなもの。ところが、戸崎騎手は、日曜新潟のラスト2レースで意地を見せた。
まず、日曜メーン競走のレパードS(G3)では、5番人気ブランクチェックに騎乗。好位からしぶとく脚を伸ばし、3着に食い込んだ。
さらに好騎乗で魅せたのが最終12レース。13番人気のオルトルートに騎乗すると、道中インで脚を溜め、ロスなくレースを運ぶと、末脚を伸ばし、3着に食い込んだ。
結局、土日は新潟で計13鞍に騎乗し、「0-1-2-10」。戸崎騎手のようなトップジョッキーとしては決して褒められた成績ではないが、日曜のラスト2レースで何とか爪痕は残せた。
昨年11月のJBCレディスクラシックで落馬負傷後、長期の戦線離脱を強いられ、実戦に復帰したのは、実に半年以上が経過した5月下旬のこと。大ケガからの長期休養明けにもかかわらず、今年の勝率(15.3%)は過去2年を上回り、3年連続リーディングに輝いた2014-16年に迫る数字だ。
新馬2レースでの苦い騎乗を糧に、まずは来週にも8月初白星を挙げ、反撃の狼煙を上げたい。