JRA友道康夫厩舎の牝馬クラシック候補がいよいよデビュー! あの大物牝馬と重なる血統背景は、牝馬クラシック制覇という「天命」か!?
8月15日(土)新潟競馬5レースで、シャドウエリス(牝2歳、栗東・友道康夫厩舎)がデビュー予定だ。
母はJRAで5勝し、オープンクラスまで出世したパールシャドウ(父クロフネ)。父はハーツクライで、リスグラシューやジャスタウェイなど数々の名馬を送り出してきたが、直近でもサリオスやクラヴァシュドールなど活躍馬を上げれば枚挙に暇がない。
友道康夫厩舎所属で父ハーツクライ、母父クロフネと言えば、2017年の牝馬クラシックを沸かせたアドマイヤミヤビが思い出される。
牡馬相手の新馬戦で2着に敗れたものの、その後3連勝で桜花賞(G1)へ出走。12着と敗れはしたが、次のオークス(G1)では3着と力のあるところを見せつけた。
この年のオークスであるが、例年より粒が揃ったハイレベルなレースであったのは一目瞭然。1着ソウルスターリング、2着モズカッチャン、4着ディアドラ、5着リスグラシューと、アドマイヤミヤビ以外の上位は生涯でG1馬となる競走馬だった。
アドマイヤミヤビは、その後のローズS(G2)に向けて調整されていたが、その最終追い切り後に左前脚屈腱炎を発症。現役引退を余儀なくされたが、無事であれば他馬と同じようにG1を制するポテンシャルは秘めていたはず……むしろ、この年でなければ、クラシック制覇も成し遂げていたかもしれない。
そんな思いが託されたのかはいざ知らず、先週の調教ではダービー馬マカヒキと併せ馬を行ったシャドウエリス。ジョッキーを背に、栗東芝コースで82.3-66.0-51.1-36.9-12.0と一杯に追い切られた。ダービー馬相手とあってさすがに遅れはしたものの、デビュー前の新馬としては調教師の「期待感」が伝わってくる内容だったと言えるだろう。
本馬を管理する友道康夫調教師であるが、牡馬ではマカヒキ、ワグネリアンで2度のダービー制覇を成し遂げている名伯楽。G1に100回以上も競走馬を送り出してきたが、牝馬でのクラシック制覇は未だに皆無。ヴィブロスでの秋華賞制覇はあるが、桜花賞、オークスはヴィルシーナの2着が最高で、まだ一度も勝利した事がない。
数奇な運命を辿ったアドマイヤミヤビ。その思いとともに、牝馬クラシック制覇への道は続いていく……。
それを成し遂げるのが本馬であれば、そういう“天命”だったという事なのだろう。