JRA岩田康誠の熱烈指導であの若手騎手にブレイクの兆し!? 人気薄で穴馬券を連発した札幌に大躍進の秘訣
先週の札幌開催は横山武史騎手が8勝の大暴れ。5勝で続いたリーディング1位のC.ルメール騎手も悪くはない成績だったとはいえ、全16鞍の半数で勝利を挙げる勝率50%は圧倒的な存在感だった。札幌のリーディング争いは、早くもこの2人の一騎打ちムードが濃厚と見られている。
その一方で、関東の秋山稔樹騎手(18歳、美浦・蛯名利弘厩舎所属)が土曜札幌で3勝を挙げる大活躍。秋山稔騎手は今年3月にデビューしたばかりの新人騎手だ。同期には秋山稔騎手の他に泉谷楓真騎手、小林脩斗騎手、原優介騎手の3人がいる。
現在、リーディングでは13勝の泉谷騎手が上位にいるが、8勝の秋山稔騎手もライバルとして猛チャージを掛けたいところだろう。
土曜に挙げた3勝の中身も2Rの2歳未勝利を6番人気、3Rの3歳未勝利を4番人気、7Rの1勝クラスを7番人気と、人気薄の馬を次々に上位に持ってくるなど完全に波に乗っている。
一見、先週まで5勝だった新人騎手の飛躍は突然のブレイクにも思えるが、それを裏付ける環境の変化もあったようだ。
「エージェントを付けた事で、競馬により集中できるようになったのが大きいです。週中にはエージェントの情報で馬の特徴や癖、相手関係などを事前に把握する事で、以前よりレースで周りを冷静に見られるようになったようです。
それに加えて、いい意味で調子のいいタイプなので先輩達に可愛がられています。北海道は競馬がタイトですから、勉強するには素晴らしい環境です。滞在で先輩との関わりも多くなるため、競馬の姿勢や技術を盗むのには持ってこい。側から見ても今は楽しく競馬に乗っているのが分かります」(競馬記者)
また、その中でも特に秋山稔騎手に熱烈指導をしているのが岩田康誠騎手らしい。
「口調は厳しくて一見怖そうに見える岩田康騎手ですが、後輩、特に若手の面倒見は凄くいいんですよ。勝てば自分の事のように喜びますし、負ければ物凄く険しい表情で『何であんな乗り方したんや。もう少しお前が積極的に乗ってれば勝ってたやろ!』などとキツく叱るなど熱い性格の持ち主なんです」(同記者)
さらに、別の記者からは岩田康騎手が「秋山はエエ子やで。純粋で気持ちが真っ直ぐなのが何より。例えば、こう乗った方が良かったんちゃう⁉️とアドバイスしたりすると、それをすぐに吸収して次に活かすからな。ああいう子は伸びると思う」と太鼓判を押しているという声も聞こえている。
東西の関係者が集まる北海道での開催だけに、秋山稔騎手の腕を見込んだ関西の厩舎からの騎乗依頼も少しずつ増えている様子だ。
札幌開催も残り数週間となったが、騎手として一回り大きくなった姿で美浦に戻ってくることに期待したい。