JRA札幌記念(G2)は何故1番人気が勝てないのか? 今年1番人気確実のラッキーライラックの運命と8連敗の歴史
今週行われる札幌記念は、JRA夏競馬最大のビッグレースであり、他の夏の重賞レースと違って脂ののったG1馬が出走するレースだ。
昨年はブラストワンピース(有馬記念)、フィエールマン(菊花賞・天皇賞春)、ワグネリアン(日本ダービー)、ペルシアンナイト(マイルチャンピオンシップ)と4頭のG1馬を含む、合計10頭の重賞勝ち馬が出走して話題となった。それ以前にもモーリス、ゴールドシップ、ネオリアリズムといった実績馬が出走しており、G1レースと遜色ないメンバーが顔を揃えている。
一方、それだけレベルが高いレースでありながら、現在1番人気が8連敗中と荒れているレースであるのだ。夏競馬唯一のG2レースであり、出走馬のレベルもハイレベル。それでも波乱続きなのは何が理由なのだろうか。この8年で敗退した1番人気馬は以下の通り。
2012年ダークシャドウ⇒ 2着
2013年ロゴタイプ⇒ 5着
2014年ゴールドシップ⇒ 2着
2015年トーホウジャッカル⇒ 8着
2016年モーリス⇒ 2着
2017年ヤマカツエース⇒ 3着
2018年マカヒキ⇒ 2着
2019年フィエールマン⇒ 3着
ご覧の通り、勝ててはいないが、大きく負けたのは2頭のみで2着4回3着2回と馬券圏内にはまずまず好走している。
とはいえ、この8頭の敗因は馬券を買う立場からすれば非常に気になるところ。そこで今回は、この8頭に関する当時の状況を検証し、危険な1番人気の傾向を探っていきたいと思う。まず主な傾向は以下の通りだ。
・外国人騎手が騎乗⇒ 3頭全敗
・洋芝(札幌・函館)の勝利実績がない⇒ 5頭が該当
・芝2000mで勝利実績がない⇒ 3頭が該当
・前走がG1レース⇒ 8頭すべてに該当
・次走が凱旋門賞⇒ 2頭が該当
・乗り替わり⇒ 3頭が該当
・前走で2着以下⇒ 6頭に該当
・3歳以上の牡馬混合G1レースを勝利していない⇒ 2頭に該当
JRA所属となったクリストフ・ルメールとミルコ・デムーロに加え、短期免許で来日したジョアン・モレイラなど、外国人騎手が多く札幌記念に騎乗したが、結果として人気で敗退するケースが目立つようになった。
過去に札幌記念でデムーロは2度騎乗して全敗、モレイラも3度騎乗して全敗、ルメールは5度騎乗して1勝しているが、1~2番人気では4頭騎乗してすべて敗退している。
真夏の札幌競馬場は、新潟競馬場や小倉競馬場と比較して30度を超えるような猛暑はほとんどない。しかしそれでも外国人騎手にとってはキツイ暑さと想像される。それがこの不振に繋がっているのかもしれない。