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2016.11.10 09:38
【徹底考察】エリザベス女王杯(G1) タッチングスピーチ「世界No.1を誇るR.ムーア騎手の腕の見せ所。世代屈指の切れ者の『真の姿』とは」
監修=下田照雄(栗東担当)
まず「ダメージの回復」がテーマだっただけに先月5日まで長めの休養を取り、色気を出して前哨戦を使うことをしなかった陣営の一貫性は評価したい。
その後、順調に調整が重ねられてエリザベス女王杯の1週前追い切りでは栗東の坂路で4ハロン52.8秒、ラスト13.0秒。タイムは平凡ながら併せ馬でしっかりと先着した。
さらに9日に行なわれた最終追い切りでも、栗東の坂路で4ハロン53.9秒、ラスト12.7秒。併せ馬で1馬身先着した。終い重点になった分、最後のキレは増したが、これも時計的には平凡。
石坂調教師は競馬ラボの取材に「牝馬だから、あまりやりすぎないように調整してきました」とコメントしている。今春の経験を踏まえて、とにかく疲労を残さないことに終始した印象だ。ただ、このソフト仕上げをどう見るかは意見が分かれそうである。
【血統診断】
ディープインパクト×Sadler’s Wellsという、日本と欧州のチャンピオンサイアー同士の配合の成功例は意外に少ない。オープン実績があるのは本馬のみ。ただし、サンプル数自体が少なく、本馬の全弟となる2歳馬ムーヴザワールドはまだデビュー戦を勝ったばかりだが、早くも世代No.1の声も上がっている逸材。スケールは申し分なく、今後この配合から大物が出る可能性は大いにあるといえるだろう。
実際にディープインパクトとSadler’s Wellsの血を持っている牝馬との配合では、マイルCSを勝ったトーセンラーと天皇賞・秋を勝ったスピルバーグ兄弟がいる。他にも大阪杯を勝ったアンビシャスなどG1級の名馬が輩出されているように、決して相性の悪い配合ではないはずだ。
ただ、血統的には本馬がその大物になる可能性も十分にある。
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