JRAデビュー戦圧勝のソダシは札幌2歳S(G3)の主役候補!? “突然変異”の白毛一族が芝ダート関係なしの大活躍で夏競馬を席巻
7月12日、函館競馬場で行われた新馬戦(芝1800m)を快勝したソダシ(牝2、栗東・須貝尚介厩舎)の次走は、9月5日に札幌競馬場で行われる札幌2歳S(G3)を予定していることが分かった。
余裕のあるデビュー勝ちの内容からも、2連勝での重賞勝ちに大きな期待がかかる。ソダシの母ブチコは白毛で斑模様の個性的な外見だけでなく、実力も伴っていたこともあって、競馬ファンから絶大な人気を集めていた馬である。
また、祖母のシラユキヒメはサンデーサイレンス産駒の白毛馬としても大きな話題を集めた。母のウェイブウインドは鹿毛、父のサンデーサイレンスは青鹿毛でありながら、突然変異で誕生した白毛馬だった。
突然変異の白毛馬は生まれる確率が非常に低いこともあり、その確率は1万頭に1頭ほどといわれている。しかし、引退後に繁殖牝馬となった自身は、すでに白毛の遺伝子を所持していることから、メンデルの法則によると50%の確率で白毛の産駒が生まれるようだ。シラユキヒメの産駒には多数の白毛馬が生まれ、牝系が育ちつつある。
特に目立ったのは先週の土曜小倉の快進撃だ。
5Rの新馬戦(芝1200m)では3代母にシラユキヒメを持つシロインジャーの仔であるメイケイエール(父ミッキーアイル)が、直線3番手から抜け出して2着馬に5馬身差をつける大楽勝。白毛一族の勢いはこれにとどまらず、6Rの新馬戦(ダート1700m)でもダノンハーロック(父ルーラーシップ)が、2着馬に5馬身差の圧勝劇を見せた。
これまでダートでの活躍が多かったが、芝でも重賞級の期待を持てる素質馬が現れ始めたのは、珍しい毛色が注目を集めるだけではなく、名牝の出現を予感させるものかもしれない。
「現役時代のシラユキヒメが未勝利で競走生活を終えたことを考えれば、代を重ねるごとに実力馬が出てきていることは、非常に興味深いです。
芝もこなす産駒が出たということも、この血統の適応力の高さの証明にもなりますし、近い将来、G1を勝ち負けする馬が出て来ても不思議ではないでしょうね」(競馬記者)
競馬はブラッドスポーツといわれる側面もあり、競走馬の配合には生産者の夢も詰まっている。
超良血馬やセールで話題となる高額落札馬が必ずしも走るとは限らない。
そんな競馬界に突然変異によって生まれた奇跡の一族が、驚異的な活躍を見せたことには血のロマンを感じざるを得ない。