JRA新潟2歳S(G3)優勝馬は将来性ゼロ? 過去の優勝馬で古馬G1勝ち馬ゼロの早熟レースを回避する素質馬と陣営の思惑。
昨年の優勝馬ウーマンズハートは、上がり32秒8の豪脚で勝利したことから桜花賞候補にも挙がったが、その後4連敗で桜花賞16着、オークス12着に大敗。2018年の優勝馬ケイデンスコールはNHKマイルカップで2着と驚かせたが、その後は5戦して2桁着順が4回と惨敗続き。2017年の優勝馬フロンティアも、デビュー2連勝で勝利するも、その後は12連敗と見るも無残な内容だ。
この傾向は単純に優勝馬だけに当てはまらない。昨年の2着馬ペールエールは、その後朝日杯フューチュリティステークス16着、ニュージーランドTを15着、青龍ステークス15着と信じられない成績。2018年の2着馬アンブロークンも、その後3度の1番人気に支持されるも6連敗で登録抹消となっている。
こういった傾向から見ても、新潟2歳Sを勝つことは、確かに重賞ウィナーという実績、そして翌年のクラシック出走をほぼ確実にする賞金は得られるものの、その将来性が厳しくなる現実が待っているのである。
この要因は一つや二つではないだろう。まずは函館2歳Sや小倉2歳Sも同様の傾向があるだけに、小回りコースや平坦コースなど、春のクラシックが行われる阪神・中山・東京とは、コース形態が大幅に異なること。
続いて時期的にメンバーのレベルが低い中での勝利であり、強い馬と相対したときに通用しないこと。そしてこの時期で重賞を勝つには仕上がり早の反面、成長力に欠けることなどが考えられる。
新潟2歳Sは2009年から2015年まで18頭のフルゲートが続いていたが、年々出走馬が減少し、今年は登録馬が11頭と少なかった。夏の新潟で行われた2歳戦は先週までに32レースあったが、それにもかかわらず11頭にとどまったのは、将来性を危惧した陣営が回避してのものかもしれない。
逆に言えば、そういったレースだからこそ、来年のクラシックよりもここで重賞勝利を狙いたいという陣営もあるだろう。そんな思惑を見抜くことが、このレース的中のカギに繋がるかもしれない。
いずれにせよ今年出走する馬には、そんな前例を跳ね返す成績を残してもらいたいものである。