JRA福永祐一「斜行」で騎乗停止! モーリス×シンハライトのセブンサミットは敗退、キタサンブラック2世を思わせるアノ馬がデビュー勝ち
30日、新潟競馬場で行われた5Rの2歳新馬(芝2000m)は、岩田康誠騎手の2番人気ブラックラテ(牡2、栗東・梅田智之厩舎)が快勝。2着に4番人気パープルレディー、3着にはヒシシュシュが入った。
フルゲート18頭立てからデルマジゾウが除外となって17頭立てに変更されたレースを、後方から外を捲くる強気な競馬で抜け出したのはブラックラテだった。
レースはゴーストレートがスローペースで引っ張ったこともあって馬群が密集した。ブラックラテは先行集団から少し後方の13番手を追走。動きがあったのは1000m手前あたりから。後方にいたブラックラテが外から一気に捲くって行き、これにヒシシュシュ、パープルレディーと続いた。
ブラックラテは直線入り口で早くも2番手までポジションを上げると、先頭に立ったグランツアーテムとの激しい叩き合いに持ち込む。直線半ばでこれを競り落として単独先頭に立つと、2着馬に2馬身の差をつける完勝でデビュー勝ちを決めた。
2歳馬のデビュー戦としては、出入りの激しい2000m戦を勝利したことには価値があるだろう。いい脚を長く使えたレース内容からも、さらに距離が伸びても問題はなさそうだ。
その一方、単勝2.6倍の1番人気に支持された父モーリス、母は2016年のオークス馬シンハライトの良血馬セブンサミットは福永祐一騎手とのコンビでインの好位からの競馬。しかし、直線では伸びを欠いて4着と人気を裏切る結果に終わった。
また、直線で外に進路を求めた際に斜行したため、8番タガノコハクゾラ、15番パープルレディーの進路が狭くなったことで、福永騎手には9月12日(土)から9月13日(日)まで2日間の騎乗停止の処分が下された。
「勝ったブラックラテは外を回してかなり長く脚を使っていますが、それでも2着馬に2馬身差の完勝と強い競馬でした。馬群の外を伸び伸びと走れたこともプラスに働きました。スローと見て早めに動いた岩田騎手の好判断も光りましたね。
4着に敗れたセブンサミットは伸び切れませんでしたが、内容自体は悪くないでしょう。勝った馬は抜けていたとはいえ、他の馬とは差のない競馬をしています。一度使われたことで次走は変わって来そうです」(競馬記者)
強い競馬でデビュー勝ちを決めたブラックラテは父ブラックタイド、母父サクラバクシンオーという血統。これはキタサンブラックを思わせる血統構成である。
中距離戦でのデビューや、距離が伸びてよさそうなところも将来性を感じさせるレース内容だった。
次走でも注目の1頭となりそうだ。