JRA札幌2歳S(G3)武豊レコード演出の“暴走劇”で13着大敗……「止まったね」ダイアトニックに続く「1枠1番→ブービー」の悪夢
今週も、待っていたのは“悪夢”だった。
5日、札幌競馬場で行われた札幌2歳S(G3)は、2番人気のソダシ(牝2歳、栗東・須貝尚介厩舎)が優勝。白毛馬にとって史上初の芝重賞制覇となった。鞍上の吉田隼人騎手は、これで函館記念(G3)、クイーンS(G3)に続く、夏の北海道重賞3勝の絶好調だ。
その一方、夏の北海道でまたも苦い思いを味わったのが、3番人気のピンクカメハメハに騎乗しながらも13着に大敗した武豊騎手だった。
14頭立ての芝1800mのレースで、1枠1番から抜群のスタートを決めたピンクカメハメハは、デビュー戦を逃げ切ったこともあって迷わずハナへ。1番人気のバスラットレオンなどに鈴をつけられる中、果敢にペースを作った。
しかし、1000m通過59.2秒は1997年に札幌2歳Sが1800mに延長されてからの“史上最速”。これまで60秒を切ったことすらないだけに、この時期の2歳馬にとっては、あまりに過酷なペースとなった。
「止まったね……」
レース後、武豊騎手がそう肩を落とした通り、3コーナー辺りで早くも手応えが怪しくなったピンクカメハメハ。そこへ後方にいたユーバーレーベンがまくりを掛けて万事休すとなった。
「結局、このレースはレコードで決着。時計面だけ見れば『暴走』と言わざるを得ませんが、序盤からバスラットレオンやソダシに追走される苦しいレース展開でした。
武豊騎手が『向こう正面で息を入れたい時に苦しくなった』と振り返っている通り、後続からのプレッシャーもありましたし、ユーバーレーベンのまくりがトドメでしたね……。ピンクカメハメハにとっては肉体的にも、精神的にもダメージの残りそうなレースになってしまいました」(競馬記者)
この日、1枠1番からのスタートだった武豊騎手だが「札幌の重賞で1枠1番」といえば、1番人気を背負いながら15着に大敗したダイアトニックが記憶に新しい。
この日、14頭立てのブービー13着に大敗してしまったピンクカメハメハだが、武豊騎手にとっては2週連続「1枠1番からブービー大敗」という屈辱を味わう結果となってしまった。
レース後には「まだ成長途上」と相棒を庇った武豊騎手。苦い夏競馬の締めくくりとなったが、数多くの有力馬が待つ秋の巻き返しに期待だ。