JRAスプリンターズS(G1)タワーオブロンドンが回避! 意外な形で「鞍上問題」解決も、新たな課題が浮き彫りに……
鞍上問題は意外な形で解決を迎えた……。
8日、タワーオブロンドン(牡5歳、美浦・藤沢和雄厩舎)がスプリンターズS(G1)へ向かわないことが『スポーツ報知』の報道で明らかになった。同記事によると、爪の状態が良くなく、最近になって牧場で乗り出したため、レースに間に合わないと藤沢和調教師が話しているようだ。
昨年、サマースプリントシリーズのチャンピオンに輝いた勢いそのままに、スプリンターズSを制したタワーオブロンドン。今年は夏を休養にあてて、スプリンターズSへ直行することが予定されていた。
しかし、体調面が整わないことで、無念の回避となった。
先日、僚馬グランアレグリアの鞍上がC.ルメール騎手ということが明らかになり、タワーオブロンドンの鞍上問題が発生したばかり。だが、スプリンターズSに出走しないとなれば解決となる。
だが、タワーオブロンドンの今後は不安が増すばかりだ。
「短距離馬にとってスプリンターズSは秋の大一番です。今年の社会情勢を考えると、暮れの香港国際競走への参戦は難しく、使える1200m戦のビッグレースはなくなってしまいます。短距離G1を勝っているタワーオブロンドンにとっては、苦難の秋になりそうですね。
もし、秋に出走するとしたらマイルCS(G1)、阪神C(G2)あたりの定量戦が選択肢になりそうですね」(競馬記者)
これまでに1400m以上の距離で5勝しているタワーオブロンドンだが、直近は1200mを中心に出走して結果を残している。もし、マイルCSに参戦となれば、5着に敗れた昨年の東京新聞杯(G3)以来となる。
「4歳初戦まではマイルを中心に走ってきましたが、NHKマイルC(G1)以降は思うような結果が残せずに距離短縮の判断が下されました。これが功を奏して、短距離路線で大活躍しています。それだけに、5歳秋の距離延長は歓迎できるものに思えません。1400mはまだしも、マイル戦は厳しそうですね。
もし、マイルCSに出走するとしても、鞍上問題は解決しません。グランアレグリアも参戦する可能性が高く、ルメール騎手の確保は難しいと思いますよ」(別の記者)
グランアレグリアも短距離路線を歩むため、バッティングは避けて通れないだろう。そうなれば、必然的にルメール騎手とコンビを組むのは困難になる。これまで17戦のうち13戦でコンビを組んだパートナーだけに、タワーオブロンドンにとっては死活問題だ。
この秋、「出走レース」「鞍上」という2つの課題を抱えることになったタワーオブロンドン。困難を乗り越えてG1馬の威厳を見せることができるだろうか。