JRA紫苑S(G3)デアリングタクトと秋華賞2頭出しへ待ったなし!? 「全然違う」主戦騎手も驚く成長力! 二人三脚で歩んだ「裏街道」から目指すは「表舞台」
12日(土)中山競馬場にて、紫苑S(G3)が行われる。
2016年から秋華賞トライアルとして、重賞に格上げされた本レース。3歳牝馬G13冠目のトライアルレースという事もあり、前走オークス(G1)からの出走馬が好成績を収めているレースである。
ただ、3年前は2勝クラスからの参戦馬で3着内を独占。オークスからの出走馬が複勝回収率78%に対し、2勝クラスからの参戦馬が70%と、それほどヒケをとらない成績を残している。
さらに、前走2勝クラスで勝利を収め参戦した(実質3勝クラス)馬に関しては、複勝回収率110%とオークス組を凌ぐ成績を上げている。
今回、2勝クラスで勝利を収め紫苑Sに挑むのが、ミスニューヨーク(牝3歳、栗東・杉山晴紀厩舎)だ。
デビューから一貫して、加藤祥太騎手が手綱を握る本馬。ここを勝てば人馬ともに重賞初制覇となるだけに、加藤騎手も気合が入るところだろう。
『netkeiba.com』のコラム『今週のFace』にて「小柄な牝馬で最初の頃はちょっと力がつききっていない印象でした」と加藤騎手が語ったように、成長が遅かった本馬がデビューしたのは2歳の暮れ。
新馬戦3着、続く未勝利戦で4着と勝ち切れない競馬が続いたが、続く未勝利戦、1勝クラスを連勝。1勝クラスの1週前追い切りで、同厩舎の二冠馬デアリングタクトと併せた事からも陣営の期待がうかがい知れる。
次の白百合S(3歳OP)では3着に敗れたものの、古馬混合の松島特別(2勝クラス)を快勝し、ここに駒を進めてきた。
同世代との白百合Sを敗れているだけに、G1出走組との比較で分が悪くも感じられる本馬。
しかし、白百合Sから約1ヵ月ぶりの騎乗となった松島特別で、「全然違うな」と感じた事を加藤騎手はコラム内で語っている。レースを使うたびにパワーアップしていく、本馬の成長力を物語っているとも言えるだろう。
今回の中山芝2000m戦。これまで3勝が全て1800mながら、コーナーを4つ回るコース。ベストに近い条件となれば、あとは別路線組との能力比較となる。
デビューも遅く、これまでは「裏街道」を歩んできたミスニューヨーク。成長を遂げた今なら、同世代の一線級とも互角に渡り合えるはずだ。
偉大な僚馬、デアリングタクトの背中を追って「表舞台」へ……新たな挑戦が始まろうとしている。