JRAセントウルS(G2)今度こそ「幻」ではなく「現実」のG1馬に……アノ馬の「倍返し」に期待できる”今年”だからこその理由
13日、中京競馬場ではサマースプリントシリーズ最終戦・セントウルS(G2)が行われる。過去10年、スプリンターズS(G1)で最多となる5勝を挙げているように、最も本番に直結する前哨戦といえるだろう。
だが、今年は例年の阪神競馬場ではなく、中京競馬場で開催されることが大きな特徴だ。
中京開催のセントウルSとは逆のパターンだった阪神開催の中京記念(G3)を、18頭立ての最低人気メイケイダイハードが勝利するという大波乱に終わったことも記憶に新しい。
そして、この開催変更の恩恵を最も受けると思われるのが、クリノガウディー(牡4、栗東・藤沢則夫厩舎)だ。振り返れば今年のクリノガウディーは苦難の連続だったといえるだろう。
15番人気の大穴に過ぎなかった3月の高松宮記念(G1)では、6枠11番から和田竜二騎手が果敢に先行し、逃げ粘るモズスーパーフレアを捉えて1位入線。待望のG1初制覇を成し遂げたかに思われた。だが、直線で内側へ斜行したことが進路妨害となり、無念の4着降着。初のG1タイトルは幻となった。
クリノガウディーにとっての試練はこれだけで終わらない。7月のCBC賞(G3・ハンデ)では、新馬戦1着の勝利しかないにもかかわらず、課せられたハンデは58キロとまるでG1馬の扱い。
トップハンデの影響も大きかったのか、後方から伸び切れずに12着と大敗。まんまと逃げ切ったのは51キロの”最恵量”ラブカンプーだった。踏んだり蹴ったりとはまさにこのことだろう。
さらに痛恨だったのは、巻き返しを図った関屋記念(G3)を最下位の18着に大敗したことだ。G1で1位入線を果たした馬が、G3で最下位でファンがトーンダウンするのも無理はない話だろう。
ところが、意外にもクリノガウディー陣営に悲観の色はない。
藤沢則師は「ジョッキーが喉を気にしていたから検査してもらったけど、喉鳴りではなかった。ゼーゼーいったみたいで、最後は追っていなかったですしね」とコメント。力負けではなく、あくまでレース中に異変を感じたため、無理をしなかっただけのようである。