JRA怪物候補バニシングポイントと武豊で「日米ダービー制覇」へ!? 新進気鋭の馬主が送り込む期待のキズナ産駒
先週で夏競馬も終わり、今週から秋の中山開催が始まる。
そんな中、注目を集めるのが12日(土)の新馬戦、芝2000mでデビューするクロパラントゥ(牡2歳、美浦・鹿戸雄一厩舎)だ。
馬主は長谷川祐司氏。8月の新馬戦で2着に馬なりで7馬身差をつける、圧勝劇を演じた怪物候補バニシングポイントのオーナーで、近年のセレクトセールなどでも高額馬を落札する新進気鋭の馬主である。
Tapit産駒のバニシングポイントはその血統から、管理する藤沢調教師も「やはりダート向きの印象」と、ダート1400mでのデビューも考えられていた馬。ドバイのUAEダービー(G2)やアメリカのケンタッキーダービー(G1)など、海外のダート挑戦も視野に入れられている。
「バニシングポイントはケンタッキーダービーというプランもあるようですが、初戦は芝で圧勝ですからね。次走も芝を予定していますし、底が見えるまでは芝で続戦ではないでしょうか。ただ、本馬の父Tapitは2014年から2016年の北米リーディングサイアーにも輝いたアメリカの名血。産駒のラニが日本から米国三冠へ挑戦したことからも、ダートでの走りに期待が膨らみます」(競馬記者)
ちなみに長谷川オーナーが所有する2歳馬は4頭おり、今回新馬戦に出走するクロパラントゥ以外の3頭は父がTapit、ヘニーヒューズ、Curlinとダート色の濃い血統構成である。
それに対し、クロパラントゥは父が日本ダービー(G1)を制したキズナ。芝レースでの血統的な期待値はこちらの方が高い。
鞍上には父キズナの背中を知る武豊騎手。その武豊騎手も土曜は2鞍のみの騎乗と、この馬へかける期待は大きそうだ。
9日の最終追い切りでは助手が跨り、美浦南ウッドコースで6ハロン82.5。強めに追われたナリノペッパー(2歳未勝利)に馬なりで先着した。脚色にはまだまだ余裕があった事からも、本番での走りに期待が膨らむ。
これで本馬が新馬戦を圧勝という事になれば、長谷川オーナーはバニシングポイントとの2枚看板を掲げる事になる。バニシングポイントがケンタッキーダービー、クロパラントゥが日本ダービー……。夢のような話ではあるが、そんな事を考えるのも競馬の一つの楽しみだ。
クロパラントゥ注目の初戦。バニシングポイントのような圧勝劇に、夢への続きを期待したい。