JRA武豊「完勝でしたね」アドマイヤビルゴ反撃の秋へ一発回答! 菊花賞(G1)有力候補に浮上も、陣営が見据える「次走」は……
13日、中京競馬場で行われたムーンライトハンデ(3勝クラス・芝2200m)は、武豊騎手の1番人気アドマイヤビルゴ(牡3、栗東・友道康夫厩舎)が勝利した。2着に2番人気ショウリュウイクゾ、3着には7番人気シャフトオブライトが入った。
3月の若葉S(L)を勝利して以来、待望の復活となった武豊騎手とアドマイヤビルゴのコンビ。秋の始動戦をきっちりとモノにしての一発回答だ。
レースはフルゲート18頭からベイビーステップが除外となって17頭立てで行われた。注目のアドマイヤビルゴは8枠17番から好スタートを決めると、外目から徐々にポジションを上げて好位の5番手まで押し上げた。
逃げたシャフトオブライトの作ったペースは1000m通過1分3秒3とスロー。2番人気ショウリュウイクゾを前に見る絶好の位置での追走となった。勿論、上がり勝負になりそうな展開を読んでいた武豊騎手の好判断も光る内容だ。直線でゴーサインを出すと力強い脚で抜け出して、ショウリュウイクゾとシャフトオブライトとの叩き合いを制した。
武豊騎手はレース後に「完勝でしたね。馬体も数字以上に大きく見せたし、このままいい方向にいってほしい」とコメント。着差こそ1馬身1/4と派手さはないが、見た目以上の強さを証明したレース内容だったといえるだろう。
「着差以上に強い競馬でした。4キロ増だった馬体重には物足りなさも感じましたが、馬体はたくましくなった印象です。手応えも十分に残っていましたから、まだ伸びしろもありそうですよ。
初対決の古馬相手に3勝クラスのレースを快勝してのオープン入り。次はいよいよ重賞勝ちが目標になりますね。
春は残念な結果となりましたが、始動戦としては最高のスタートとなったのではないでしょうか」(競馬記者)
2017年のセレクトセールで約「6億円」にて落札されたアドマイヤビルゴと武豊騎手との間には浅からぬ縁がある。
かつては多くの実力馬の騎乗を依頼し、専属騎手といっていいほどの蜜月関係だった故・近藤利一オーナーと武豊騎手。ところがお互いの意見の相違など、紆余曲折を経て疎遠となっていたことは有名な話だ。
そんな2人の雪解けとなったのが、アドマイヤビルゴを「ユタカに乗せてくれ。ディープに乗ったことがあるのはユタカだけだから」という近藤オーナーの遺言だった。
その遺志に応える格好で武豊騎手の手綱でデビューしたアドマイヤビルゴは新馬、若葉Sと2連勝。クラシックの有力候補の1頭となったが、5月の京都新聞杯(G2)を迎える際にコロナ禍の影響で騎手の移動制限が延長。翌日のNHKマイル(G1)に騎乗する武豊騎手は叶わず、藤岡康太騎手とのコンビで4着に惜敗した。