JRA武豊「鞍上問題」揺らぐ……秋華賞(G1)「相棒」はパラスアテナか、デゼルか。未だ「保留」であり続ける“第3の選択肢”とは
武豊騎手にとって嬉しい悩みの秋になりそうだ。
12日、中山競馬場で行われた秋華賞(G1)トライアル・紫苑S(G3)は1着マルターズディオサ、2着パラスアテナ、3着 シーズンズギフトで決着。3頭には10月に京都競馬場で行われる秋華賞の優先出走権が与えられた。
特に、前走のラジオNIKKEI賞(G3)で1番人気の支持を集めながらも、紫苑Sで10番人気の低評価だったパラスアテナ(牝3歳、美浦・高柳瑞樹厩舎)は、武豊騎手とのコンビで2着に入り、能力を証明することができた。
優先出走権を獲得できなければ、秋華賞出走が叶わない状況だっただけに、陣営も「ジョッキーが外枠をマイナスにせず、本当にうまく乗ってくれた」と鞍上の手腕を絶賛。武豊騎手も「大外枠でしたが、うまく流れに乗れました。力は見せてくれましたし、もっと良くなると思います」と、秋華賞へ大きな上積みを期待できそうなコメントを残している。
だが、その一方、現状ではパラスアテナの秋華賞の鞍上が「未定」となっている。
「これには今週末のローズS(G2)が影響していると思われます。武豊騎手は有力馬デゼルに騎乗することが決まっており、こちらも注目の素質馬です。どちらも秋華賞に駒を進めた場合、2頭を天秤にかけることになります。そのため、現段階ではパラスアテナの鞍上は未定となっているのではないでしょうか」(競馬記者)
デビュー2戦目のスイートピーS(L)を上がり32秒5の豪脚で制したデゼル。前残りが目立つ春の東京開催で、直線一気で制した内容は高く評価された。これにより、オークス(G1)では2番人気に推されるも、浅いキャリアで2400mの距離ということが響いて11着に大敗したが、休養を挟んでのローズSは仕切り直しの1戦となる。
また、前走と前々走で手綱を取ったのがD.レーン騎手だったため、今回はデビュー戦でコンビを組んだ武豊騎手に再び騎乗依頼が舞い込んだ。期待馬だけにローズSの結果次第では、パラスアテナと甲乙つけ難い存在になるはずだ。
しかし、これ以外にも武豊騎手が秋華賞で騎乗する馬が決まっていない「事情」があるようだ。