JRA「大不振」中内田厩舎がまさかの重賞未勝利……連敗ストップをかけるローズS(G2)クラヴァシュドール、リアアメリアの”仕上がり”に注目
敏腕トレーナーの不振が続いている。
昨年は重賞レースで8勝を挙げた中内田充正厩舎だが、C.ルメール騎手を背に1番人気アンドラステで挑んだ京成杯AH(G3)を10着に敗れ、今年のJRA重賞は17連敗となってしまった。
アンドラステは岩田望来騎手とのコンビでエプソムC(G3)を4番人気で4着、関屋記念(G3)を1番人気で3着と惜敗。現在、騎手リーディングを独走しているルメール騎手の起用をしたことからも、勝負気配が強かったと思われるだけに残念な結果だったといえるだろう。
そんな不振が続く厩舎にとって重賞連敗ストップの救世主となりそうなのが、秋華賞トライアル・ローズS(G2)に出走を予定しているクラヴァシュドール、リアアメリアの2頭である。
クラヴァシュドールは桜花賞(G1)を4着、リアアメリアはオークス(G1)を4着と、いずれも春のクラシックであと一歩の成績に終わったものの、2歳時から高く評価されてきた馬だ。無敗の女王デアリングタクトがローズSを使わず、秋華賞(G1)に直行することが発表されただけに、前哨戦となるここで結果を出しておきたい。
また、注目したいのは2頭のこれまでの臨戦過程だろう。
クラヴァシュドールはマイナス体重で出走したチューリップ賞(G2)で2着に好走。桜花賞ではレース中に大きく後退する不利がありながらも4着に入ったものの、3番人気に支持されたオークスでは15着と大敗を喫した。
これに対し、リアアメリアは1番人気で6着に敗れた昨年の阪神JF(G1)から直行した桜花賞を10着と敗れたが、8番人気まで評価の下がったオークスでは4着と巻き返している。
「前哨戦から仕上げたクラヴァシュドールはチューリップ賞、桜花賞と好走しましたが、オークスでは惨敗。リアアメリアの方は直行した桜花賞では結果が出ませんでしたが、休み明けを使われたオークスで4着と好走しています。
3歳牝馬にとってG1は過酷なレースとなりますから前哨戦での匙加減が難しいですね。今回、リアアメリアを直行ではなく前哨戦から使ってきたのは厩舎の戦略に変化があったのかもしれません」(競馬記者)
昨年のローズS馬ダノンファンタジーも中内田厩舎を代表する1頭だが、休み明けの阪神牝馬S(G2)をプラス22キロで出走し、ヴィクトリアマイル(G1)ではマイナス20キロで出走したことも厩舎の試行錯誤の一環だったのかもしれない。
はたして、2頭をどのように仕上げて来るのか。
中間の追い切りと当日の馬体重に注目したい。