JRA池添謙一を巡る“複雑”な「三角関係」!? ローズS(G2)「女の子なのに怒ってキレることが……」兄を知る西園正都調教師も“イクメン”ぶりに期待
「彼がいなければ……」
13日に掲載された『netkeiba.com』のコラム『今週のFace』にて、西園正都調教師が語った言葉である。
2011年の皐月賞(G1)。前哨戦の弥生賞(G2)を快勝した西園厩舎のサダムパテックは1番人気の支持を集めたが、健闘むなしく2着に敗れた。
勝ったのは、後に史上7頭目の三冠馬となる平成の怪物・オルフェーヴル。最後の直線で一気に抜け出すと、サダムパテックに3馬身差をつけて圧勝。騎乗していたのは、池添謙一騎手であった。
当時のオルフェーヴルは新馬戦のゴール後にジョッキーを振り落とすなど、気性面に大きな課題があった。それだけに、皐月賞の勝利はデビュー戦からずっと我慢強く“教育”を続けた池添騎手の存在が大きい。サダムパテックを手掛けた西園調教師も「彼がいなければパテックが皐月賞馬だった」と、その手腕を高く評価している。
“因縁”の間柄であるオルフェーヴルとサダムパテックだが、20日のローズS(G2)に出走するセウラサーリ(牝3歳、栗東・西園正都厩舎)は、サダムパテックの妹であると同時に、父にオルフェーヴルを持つ。
そんなセウラサーリに池添騎手が騎乗するのも、競馬ならではのストーリーといえるだろう。
「池添騎手からすれば、オルフェーヴルと負かした相手の妹に騎乗するわけですからね。不思議な縁を感じているのではないでしょうか」(競馬記者)
確かに、セウラサーリは兄と父が元同世代のライバルという、何とも複雑な“三角関係”のもとに産まれた競走馬。父がオルフェーヴルに替わった事によって心配される気性面だが、西園調教師は「女の子なのに怒ってキレることが全然ありません」とコラム内で話しており、兄に似たタイプの「優等生」との事だ。
前走で初めて本馬の手綱をとった池添騎手は、レース後「折り合いだけに専念。いい感じで進められた」とコメントしており、馬とのコンタクトは万全。前走で一度騎乗しているだけに、今回は安心してレースに挑む事ができそうだ。
兄サダムパテック、姉ジュールポレールと、上に2頭のG1馬を持つ血統馬。重賞で相手は一気に強くなるが、兄姉の成績からも侮れない1頭だ。