JRA「キタサンブラック×クリソプレーズ」名牝最後の産駒がデビュー前に死去……突然の訃報に悲しみ広がる
昨年惜しまれつつも死去した繁殖牝馬クリソプレーズ。その最後の産駒(父キタサンブラック)が、先日、亡くなっていたことがわかった。
クリソプレーズは、初仔フォルトファーレン(父ディープインパクト)は36戦2勝と結果を残すことができなかったものの、2番仔のクリソライト(父ゴールドアリュール)がジャパンダートダービー(G1)、コリアC(G1)などダート重賞で通算6勝を挙げる活躍を見せる。
さらに第3仔マリアライト(父ディープインパクト)は、エリザベス女王杯、宝塚記念とG1競走2勝。第4仔リアファル(父ゼンノロブロイ)も神戸新聞杯(G2)を勝ち、菊花賞(G1)でも3着に入るなど結果を残した。
また近年も、ジャパンダートダービー、チャンピオンズC(G1)を制覇したクリソベリル(父はゴールドアリュール)が誕生。今年のサウジCこそ7着と案外な結果に終わったが、国内復帰戦となった帝王賞(G1)をきっちり勝利。次世代のダート界を背負って立つ存在として目されている。
「芝・ダートの両方でそれぞれG1勝ち馬を輩出したクリソプレーズは、亡くなる3年前にオルフェーヴル、ディープインパクトと交配するも不受胎。またその翌年はハーツクライ、ディープインパクトと交配するもうまくいかず、3度目の正直とばかりに付けられたキタサンブラックとの間に仔を誕生させていました。
キタサンブラックはダートの経験はないものの、道悪を物ともしないパワフルな走りと無尽蔵にも思われたスタミナが武器。クリソプレーズはダートや中長距離を得意とする有力馬を送り出していました。そのため、この2頭の相性はいいと考えられており、誕生した産駒には大きな期待が懸けられていたのですが……。関係者たちの無念はひとしおだと思います」(競馬誌ライター)
名繁殖牝馬最後の産駒は無念のうちにこの世を去ることになったが、クリソベリルをはじめ、現役を続行している産駒はまだ存在する。
そして引退したクリソライトは韓国で種牡馬生活を送り、マリアライトも今年初仔のオーソクレース(父エピファネイア)が新馬戦を出遅れながらも快勝し、高い素質を見せつけた。さらに勝ち上がることなく引退した第5仔アルマンディンも繁殖入りを果たし、初仔ムニショネッテ(父クロフネ)がデビューを控えている。
クリソプレーズの血を引く競走馬がこれからも続々と登場するはずだ。一族の繁栄を祈りたい。