JRAスプリンターズS(G1)グランアレグリア、ダノンスマッシュら有力馬が揃って脱落……問われるのは「強奪」よりも「絆」!? 勝利を左右する「鉄の掟」とは

 実は過去10年のスプリンターズSを勝利した馬で、前走コンビを組んだ騎手が本番で別の騎手へと乗り替わった場合、勝利した例がないのである。直近でも前走から乗り替わりでスプリンターズSを制したケースは、13年前に岩田康誠騎手から中舘英二騎手(当時・現調教師)に乗り替わったアストンマーチャンまで遡らなければならない。

「10年ひと昔と言われますが、さすがにこれは軽視できない傾向でしょう。些細なミスでもリーディング上位の騎手への乗り替わりが少なくない近年、スプリンターズSは人馬の絆が勝利への後押しとなっていることは珍しいといっていいかもしれません。

ドライな関係が賛否両論を生んでいる競馬界にとっても、今年は特に乗り替わりが多発した年でもあります。引き続き同じコンビで出走する人馬には、心情的にも肩入れしたくなりますね」(競馬記者)

 勿論、ファンからは一見非情に映る乗り替わりも、陣営からすれば勝利への最善手としての選択だった可能性は高い。

 その一方で、乗り替わった馬が、コンビ続行の馬に敗れることがあれば、前走で好騎乗をした騎手を応援している”熱い”ファンにとっては溜飲が下がるかもしれない。

 勝利するのは「強奪」か「絆」か。

 このような側面でも4日の決戦を楽しみに待ちたい。

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