JRA武豊×ディープインパクトを返り討ちにした「名伯楽」が送り込む刺客。凱旋門賞(G1)L.デットーリも「脅威」に感じるダークホースとは
4日、フランスのパリロンシャン競馬場で凱旋門賞(G1)が開催される。昨年は3頭の日本馬が参戦したが、今年はディアドラ1頭のみ。また、武豊騎手が唯一の日本人騎手としてジャパンに騎乗を予定している。
今年、圧倒的1番人気が予想されるのは、史上初の凱旋門賞3勝を狙うエネイブル。人気を二分するはずだったラブが回避を表明したことにより、人気を一本かぶりすることになりそうだ。
そんな中、先月30日、フランスギャロのホームページで公開された記事の中で、エネイブルの主戦L.デットーリ騎手が凱旋門賞への意気込みを語っている。その中で、脅威となりうる存在として、ラブ、ストラディバリウス、ペルシアンキング、ソットサスの4頭を挙げた。
ディアドラとジャパンが軽視されていることは残念だが、世界の名手が警戒する馬は馬券検討のうえで注意したほうがよさそうだ。
その中でも、未知の可能性を秘めたペルシアンキング(牡4歳、仏・A.ファーブル厩舎)に警戒したい。
G1・3勝の実績を持つペルシアンキング。レーティングは125ポンドで、出走メンバーの中でエネイブルに次ぐ2位タイの好評価を得ている。
だが、ペルシアンキングは世界のトップマイラー。勝ち鞍はすべて2000m以下の距離ということで、2400mで行われる凱旋門賞は距離不安が囁かれている。実際に、2日時点の海外ブックメーカー『bet365』のオッズは、17.0倍で9番人気の低評価だ。
警戒が必要と語ったデットーリ騎手も「ペルシアンキングにとって距離が長いかもしれません」と距離不安を指摘している。だが、それに続けて「しかし、ファーブル調教師によって調教された馬はリスペクトする必要がある」とコメント。どうやらフランスを代表する名伯楽を脅威と感じているようだ。
最多の凱旋門賞8勝を誇るファーブル調教師。2006年に日本から参戦したディープインパクトを返り討ちにした宿敵・レイルリンクも同師の管理馬だった。それ以降、凱旋門賞制覇から遠ざかっていたが、昨年にヴァルトガイストでエネイブルを破り、13年ぶりの勝利を挙げたばかり。また、過去10年で8頭の管理馬が3着以内に好走していることからも、凱旋門賞を知り尽くした調教師と呼べるだろう。
「正直、ペルシアンキングは距離不安があります。ただ、ファーブル調教師が凱旋門賞に出走させる決断をしたことが不気味ですね。当日、同じパリロンシャン競馬場でフォレ賞(G1・芝1400m)が行われますが、そちらに向かわず凱旋門賞を選んだということは、自信があることの裏付けかもしれません」(競馬記者)
ペルシアンキングの鞍上を務めるのはP.ブドー騎手。「ファーブル調教師×ブドー騎手」は昨年のヴァルトガイストと同じコンビのため、エネイブル陣営にとって因縁の相手である。
人気薄が予想されるペルシアンキングだが、大金星をあげるかもしれない危険な存在と言えそうだ。