武豊「大誤算」ジャパン凱旋門賞(G1)直前にまさかの出走取消! スプリンターズS、秋華賞より優先した夢……残されたのは大き過ぎた「代償」
「これが凱旋門賞じゃなかったら、こういう厳しい状況で行ったかどうか分からない」
レース前に『日刊スポーツ』の取材に対して答えた言葉だ。
だが、凱旋門賞に挑戦するのが目標、勝つことが夢と語る武豊騎手にとってはあまりにも残酷な現実が待っていた。
アイルランドのA.オブライエン厩舎が凱旋門賞(G1)に出走を予定していた4頭が、使用していた飼料に禁止薬物が混入していることが判明。尿サンプルから欧州で禁止されているジルパテロールの陽性反応が出たため、出走させないことを決定したことを3日夜、レーシングポストなどの欧州メディアが報じた。
今回、対象となった4頭は武豊騎手が騎乗予定だったジャパンをはじめ、モーグル、サーペンタイン、ソヴリンでいずれも有力馬だった。
レーシングポスト電子版によると、オブライエン師は「アイリッシュ・エクワイン・センターに送ったサンプルは問題なかったのですが、テストの精度の問題があります。フランスの研究所からは陽性の結果が返ってきました。フランスに送った出走予定馬すべてが陽性でした」と検査結果についてコメント。「走っても大丈夫だった可能性はありますが、確信が持てませんでした。大きな失望があります」と苦しい胸の内を明かした。
2日、武豊騎手はサンクルー競馬場で行われたリステッド競走のダリア賞をアマレナで5馬身差の勝利を飾った。この勝利に同馬を所有するキーファーズのHPである『キーファーズサロン』にて、「本当に強いレースでした!この先重賞でも楽しみだと思います。日曜日に向けて弾みがつきました!凱旋門賞も精一杯頑張ります!」と本番に向けて意気込みを語っていた矢先に残念な知らせが舞い込んだ。
「日本でも昨年の夏、飼料添加物の『グリーンカル』に禁止薬物とされているテオブロミンが含まれていることが判明し、その週に出走を予定していた多数の馬が競走から除外となった事件がありました。
このときも大きな衝撃が走っただけに、凱旋門賞という海外の大きな舞台でも同じような事件が発生してしまったのは非常に残念でなりません」(競馬記者)
また、武豊騎手は禁止薬物絡みで過去にも苦い思い出がある。