東京スポーツ杯2歳S(G3)に「異色」のベテラン騎手が参戦……「昨年0勝」の男が騎手人生のラストチャンスに全霊を尽くす!
「海外と比較して、充実した騎乗手当や調教手当などが支給される日本の競馬だからこそ生き残れた騎手ではないでしょうか。多くの若手が育たずにムチを置くことが問題視されている昨今の競馬界ですが、エージェント制度が確立し有力騎手に有力馬が一極集中する今の競馬界で、実績のない騎手が生き残っていくのは至難の業です。
しかし、岩部騎手のキャリアは、それでも『騎手』として生き残る道があることを示しています。そして、岩部騎手の最も敬意を払うべきは、このような状況にも勝負人としての”野望”が消えていないことですね」(競馬記者)
現在、騎手業を控えて調教師転身を目指している武幸四郎騎手が、騎乗馬が減ったことで一頭一頭に関わる時間が増え、それが馬を育てる調教師という仕事に興味を持つきっかけとなったと語っているが、岩部騎手はそんな武幸四郎騎手よりもさらに騎乗数が少ない。
当然ながら、関われる馬とは忙しい有力騎手よりも遥かに”深い関係”を結べる環境にあり、レースだけでなく調整のすべてを任されているオーバースペックは、デビュー前からほぼ毎日跨っている特別な一頭だ。