元JRA安藤勝己氏サリオス「距離延長問題ない」VS堀師「2000mもやや長い」見解に隔たりも……コントレイルと対決の舞台はあのレース!?
11日、東京競馬場で行われた毎日王冠(G2)はサリオス(牡3、美浦・堀宣行厩舎)が、2着ダイワキャグニーに3馬身差の大楽勝。
菊花賞(G1)で無敗の3冠を狙うコントレイルに次ぐ「3歳世代NO.2」に対し、ファンは単勝1.3倍の圧倒的1番人気に支持。初対決となった古馬相手の重賞で圧倒的な強さを見せた。
この勝利に対し、サリオスが所属するシルクホースクラブの米本昌史代表は「クラブの3歳世代のエース。最高の結果です」と喜んだ一方で、「天皇賞の2000メートルも堀先生はやや長いということなので、マイルCS(G1)か香港国際競走になると思います」と触れ、距離延長には否定的な見解を明かした。
天皇賞・秋(G1)でアーモンドアイとの対決を期待する声も出ていたサリオス。毎日王冠の距離1800mは天皇賞の2000mとわずか200mの違いでしかない。距離不安を微塵も感じさせない圧勝劇の後だっただけに、陣営のマイル路線選択を惜しむファンも多かっただろう。
そういったファンの声を代弁する形となったのが元JRA騎手の安藤勝己氏だ。
自身の公式Twitterで「サリオス。役者が違ったね。ゴーサイン待ちで追ってから伸びとるし、改めて言うけど距離延長しても問題ない」距離延長に太鼓判を押すとともに「完成度でコントレイルの後塵を拝してきたけど、引退する頃には勝るとも劣らない実績を築いとるはず」とサリオスの能力を高く評価した。
距離延長を問題ないとした安藤氏と2000mでもやや長いと評したサリオス陣営。競馬界を代表する存在ともいえる両者の見解は、奇しくも対極的な結果となった。
そこで注目を集めることとなったのは、サリオスがクラシック2冠で後塵を拝したコントレイルとの再戦の可能性についてである。菊花賞後にジャパンC(G1)参戦を表明しているコントレイルはおそらく王道を進むことが濃厚だ。
対するサリオス陣営が2000mでもやや長いと判断してマイル路線を中心に使われた場合、再び2頭が激突することはあるのだろうか。
「もしかしたら来年の大阪杯(G1)あたりで実現するかもしれませんね。ただ、それだとルメール騎手のアーモンドアイの8冠が懸かっているからという裏事情は少なからずあるかもしれませんが、天皇賞を回避したことと矛盾します。
盲点となりそうなのは、ドバイ遠征を見据えた場合の中山記念(G2)かもしれません。G1の舞台でなければ、直接対決で敗れたとしても大きなダメージはないでしょう。3度目の対決で2頭の力関係が開いたのか、それとも逆転の見込みがあるのかも確認が可能です」(競馬記者)
確かに接戦した皐月賞から距離の伸びた日本ダービーで完敗したことが、サリオス陣営の判断に多大な影響を与えたであろうことは想像に難くない。だが、ファンとしてはせめて菊花賞に挑戦して以降か、もしくは天皇賞後に路線変更をして欲しかったというのが本音だろう。
今後、ライバル2頭の3度目の対決を見ることが出来るのだろうか。また、実現するならどの舞台となるのか。
2頭のこれからに目が離せない。