JRA秋華賞(G1)武豊「不在」も、騎乗した4頭へのコメントから読み解く「激走候補」。最大の惑星は最もコンビを組んだあの馬か
18日に京都競馬場で開催される第25回秋華賞(G1)。過去24回のうち22回に騎乗し、3勝を挙げている武豊騎手が今年は不在。ジャパンとのコンビで出走を予定していた凱旋門賞(G1)で渡仏したため、帰国後2週間の隔離期間に入っている。
武騎手が秋華賞で不在だったのは、海外を拠点としていた2000年と01年だけ。今年は、19年ぶりに国内で秋華賞を観戦することになる。そこで注目したのが、武騎手が騎乗経験のある秋華賞の出走予定馬だ。これまでのレース前後のコメントから、馬券に役立つヒントがないか、探ってみた。
武騎手が騎乗したことがあるのは、マルターズディオサ、ミヤマザクラ、パラスアテナ、そしてオーマイダーリンの4頭。果たして武騎手は彼女たちにどのような評価を与えていたのだろうか。
4頭の中で最も多くの支持を集めそうなのがマルターズディオサ(牝3歳、美浦・手塚貴久厩舎)だろう。武騎手が騎乗したのは、デビュー3戦目のサフラン賞(1勝クラス)のみ。それ以外の7戦は田辺裕信騎手が手綱を取っている。
武騎手はサフラン賞後に次のようなコメントを残していた。
「スタートは遅かったのですが、道中流れに乗って、4コーナーを回る時の脚色も良く、最後もしぶとかったと思います。身のこなしがやわらかく、良い馬です。先が楽しみです」
4番人気だったマルターズディオサは、ギルデッドミラーやマジックキャッスルという実力馬を相手に好位から差し切り勝ちを収めた。「先が楽しみ」と語った通り、その後は阪神JF(G1)で2着に好走。チューリップ賞(G2)と紫苑S(G3)を制し、武騎手は自身の見立てが正しかったことを証明した。
マルターズディオサにとって2000mという距離はぴったり。関西への輸送経験も豊富で、前走の勝ちっぷりから、好走する可能性は高そうだ。
前走のオークスで武騎手と初めてコンビを組んだミヤマザクラ(牝3歳、栗東・藤原英昭厩舎)は、4頭の中ではマルターズディオサに次ぐ支持を集めるだろう。
オークス前の調教後には「初めて乗ったけど、動きはいいですね。走りますね。血統的には長いところも歓迎だと思う。チャンスはあると思いますよ」と語っていた武騎手。ただし、同時に折り合い面を課題として挙げてもいた。
2000mは実績があり、問題ないだろう。ただ「少し前向き過ぎるところがある」という武騎手のコメント通りなら、休み明けの今回はやや割り引いた方がいいかもしれない。当日の気配は要チェックだ。