JRA武豊「夢の代償」は悪夢の連続!? 菊花賞(G1)「出られればいいけど」アンティシペイト除外なら見学の危機……凱旋門賞から止まらぬ不幸の連鎖
21日、フランス遠征から帰国後2週間の自主隔離期間を設けていた武豊騎手が、栗東トレセンに登場。天皇賞・秋(G1)に出走予定のキセキの1週前追い切りなどに騎乗した武豊騎手は、「意外と早かったね」と自粛期間を振り返り、「“巣ごもり”準備はできていたから。ゆっくりしていたよ」と明かしている。
そして菊花賞(G1)開催週から復帰することになった武豊騎手は、大一番で騎乗予定の上がり馬アンティシペイトについて、「長距離は合いそう。緩急のつく競馬は苦手かもしれないけど、京都3000は悪くない」と適性を武器にしたいと語っていた。
久方ぶりにメディアの前に登場した武豊騎手は、取材陣相手にこれまでと変わることなく軽妙な受け答えをしてみせた。この辺りはさすがの一言に尽きる。だが、華麗なメディア対応とは裏腹に、本業の方は順調とはいい難いようだ。
武豊騎手は、春はサトノフラッグで弥生賞ディープインパクト記念(G2)を勝利し、さらにレシステンシアで桜花賞(G1)2着、宝塚記念(G1)もキセキで2着と結果を残す。6月終了時点で60勝を挙げ、リーディングでも3位に入っていた。
だが夏に入ってからは伸び悩み、さらに函館2歳S(G3)では単勝1.5倍に支持されたモンファボリで13着に終わると、小倉記念(G3)も1番人気のランブリングアレーで6着。キーンランドC(G3)でも1番人気のダイアトニックで15着と惨敗を喫した。
またローズS(G2)で4着に終わったデゼルは、後に秋華賞(G1)回避を発表。神戸新聞杯(G2)で18着だったマイラプソディは鼻出血を発症したため、規定により1カ月の出走制限を課せられてしまい、菊花賞への出走が不可能となっている。
さらにダート路線でも、武豊騎手を取り巻く環境は悪化。C.ルメール騎手が代打を務めたマテラスカイは東京盃競走(G2)で11着、戸崎圭太騎手が手綱を握って南部杯CS(G1)に挑戦したインティは9着と、お手馬が2頭とも期待を裏切る結果に終わっていた。
「そして極めつけは凱旋門賞(仏G1)です。複数のG1レースへの騎乗機会を投げ打ってまで参戦を決意したにもかかわらず、禁止薬物の陽性反応が出たとして騎乗予定だったジャパンが出走取消。気丈に振る舞っていたと伝えられていましたが、そのショックは相当なものだったと思います。ジャパンはその後、英チャンピオンS(G1)に向かうも、まさかの9着。同馬はジャパンC(G1)に予備登録されていますが、先行きに暗雲が立ち込めはじめました。
順調なのは天皇賞・秋(G1)を予定しているキセキ、また紫苑S(G3)2着で坂井瑠星騎手を背に挑戦した秋華賞で殊勲の4着に入ったパラスアテナくらいでしょうか? 菊花賞も春に騎乗して重賞を勝ったサトノフラッグは戸崎騎手に手綱が戻ったため、アンティシペイトとの挑戦を予定していますが、同馬は賞金が足らないため、まずは6分の4の抽選を突破する必要があります。武豊騎手も『出られればいいけどね』と希望を託していましたが、運から見放されている感もあるのでちょっと心配ですね」(競馬誌ライター)
武豊騎手はこの悪い流れを断ち切ることができるだろうか。まずはアンティシペイトの抽選突破を祈りたい。