JRA菊花賞(G1)「大物狩り」の血が騒ぐ!? コントレイル「当確」に最強助っ人が待ったをかける……”滑り込みセーフ”の超良血馬に激走気配
25日、京都競馬場で行われる菊花賞(G1)は父ディープインパクトに続き無敗の3冠獲りを狙うコントレイルが出走する。春のクラシック2冠で同世代のライバルを圧倒し絶対王者が願ってもない内枠を引いたこともあり、早くも下馬評は「1強ムード」の様相を呈している。
その一方で過去10年の菊花賞を1番人気に応えて勝利した馬は5頭。堅めの傾向が出ているとはいえ、半数が敗れているなら2回に1回は負けている計算となる。おそらく単勝1倍台の支持が予想されるコントレイルも、陣営が3000mは適性距離ではないと慎重なコメントを出していることは懸念材料である。
そこで、短距離レースに比して道中の騎手の駆け引きがより重要となる長距離レースを得意とする騎手をクローズアップ。やはり最有力は昨年と今年の春の天皇賞(G1)をフィエールマンで連覇、16年の菊花賞をサトノダイヤモンドで制しているC.ルメール騎手に落ち着いた。
今年の菊花賞でルメール騎手がコンビを組むのはアリストテレス(牡3、栗東・音無秀孝厩舎)だ。4/6の抽選を突破した同馬だが、「一介の穴馬」で済ませるには勿体ないだけの魅力がある。
昨年9月のデビューから勝ち切れないもどかしい競馬が続いたアリストテレス。プリンシパルS(L)では6着と崩れ、ダービー出走は叶わなかった。だが、秋の奮起を目指した8月の出雲崎特別(1勝クラス)で待望の2勝目を挙げると、続く小牧特別(2勝クラス)でも勝利を挙げて自身初の連勝を飾った。
春とは見違えるレースぶりを披露し、「折り合いは問題ないので、距離は大丈夫」と陣営も太鼓判。4/6の抽選を突破してラスト1冠にギリギリセーフで滑り込むことに成功。「いつも通りの感じで、現段階で力を出せる状態です」と、準備は万端だ。
「コントレイルは歴史的な名馬となる可能性もある超大物だけに、勝ち負けまではさすがに欲張り過ぎかもしれませんが、相手候補としては十分に面白い存在です。先週の秋華賞は同じく抽選を突破したソフトフルートが3着と激走し、勝ち馬のデアリングタクトはエピファネイア産駒でした。
このいずれもがアリストテレスに当てはまったのは、歓迎材料といえるでしょう。2走前に勝利した出雲崎特別は、掲示板に入った馬が後のレースを勝ち上がったようにハイレベルでした。何といっても最大の魅力はその血統です。母母グレースアドマイヤはリンカーン、ヴィクトリー、全妹ミラクルアドマイヤはカンパニーを出した名牝です。少なくとも血統はコントレイルに引けを取りません」(競馬記者)。
そしてこの2頭の母はフサイチコンコルド、アンライバルドを出したあのバレークイーンに繋がることも驚きだ。ウオッカを破ったカンパニー、ダンスインザダークを破ったフサイチコンコルドと『大物狩り』の実績もあるだけに、ここ一番での激走には注意したい。
先週の秋華賞は、騎乗を予定していたレイパパレが無念の除外となり、サンクテュエールで16着に敗れたルメール騎手。
今週は無事に抽選を突破と流れも向いてきた。