JRA武豊「強いね」チーム再結成で見えた重賞制覇!? 追憶のベルカント「5馬身差」圧勝劇は受け継がれし「狂気」の源
24日、京都競馬10R壬生特別(2勝クラス)は、武豊騎手騎乗のエレヴァート(牝3歳、栗東・角田晃一厩舎)が1番人気に応え圧勝。3勝目をマークした。
レースでは好スタートをきったエレヴァート。1番枠のサヤカチャンとハナを争う形となるが、外からジワッと主導権を奪った。先頭に立ったエレヴァートは、馬なりのまま直線へ。残り200m手前から左ムチを入れられると差をグングン広げ、最後は後続を5馬身突き放しての快勝だった。
エレヴァートの馬主はノースヒルズ。菊花賞(G1)で注目を浴びる、コントレイルと同じノースヒルズグループの1頭だ。
姉にはベルカントやイベリスという重賞勝ち馬が2頭。中でも近3走で手綱を握る武豊騎手にとって、思い出深いのはベルカントの方だろう。
ベルカントといえば、アイビスSD連覇を含む重賞5勝馬。内3勝は武豊騎手が勝ち取ったものだ。
ノースヒルズ、角田調教師、武豊騎手というのは、姉のベルカントと全く同じコンビ。3走前から復活した「チーム・ベルカント」では今回が2勝目。ついに準オープンまで駒を進めた。
レースに騎乗した武豊騎手は「前回よりもレース前の落ち着きがあったし、スタートが決まったことが大きい。リラックスして走れれば強いね」と能力の高さを評価すると同時に、気性面での不安を口にした。姉のベルカントも激しい気性の持ち主であったが、それはエレヴァートにも受け継がれているようだ。
前走はスタートで立ち遅れ、頭を上げる本馬をなだめながらの競馬で4着。今回スタートが決まったことで初めて逃げられたわけだが、過去3勝の中で一番大きな差をつけての圧勝だった。
「姉のベルカントも気性が激しかったですが、そういう面ではエレヴァートも姉に似ていますね。ただ、見方を変えれば、その闘争心がベルカントの活躍に繋がったとも言えます。
エレヴァートも今回の圧勝で能力の高さを見せつけましたし、あと1つ勝てばオープン入り。もちろん、内から競られた中での、武豊騎手の絶妙なペース配分など好騎乗も目立ちましたね。やはり、この馬は武豊騎手でこそ。まだ3勝馬ですが、今日の勝ちっぷりからは重賞挑戦も見えてきた気がします。このコンビでの重賞挑戦が今から楽しみですね」(競馬記者)
武豊騎手は、この1日で3勝の固め打ち。衰えを感じさせない騎乗は、まさにレジェンドの所以だろう。
姉のベルカントも昨年無事に初仔を出産。父はキズナで、妹エレヴァートと同じだ。
エレヴァートにとって姪にあたる、ベルカントの2019は来年で2歳。エレヴァートには、伯母として重賞での活躍を期待したいところだ。