JRAコントレイルは「人類の英知」で生まれた近代型三冠馬!? 史上3頭目の無敗三冠もディープインパクト、シンボリルドルフとの決定的な違い
25日、京都競馬場で開催された菊花賞(G1)において、コントレイル(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)が史上8頭目の牡馬三冠を達成。また無敗での牡馬三冠達成はシンボリルドルフ、ディープインパクトに次ぐ史上3頭目となった。
かつてシンボリルドルフの仔トウカイテイオーが無敗で春二冠を制しながらも、故障によって菊花賞を断念。そんな歴史をディープインパクトの仔コントレイルが親子二代での無敗三冠を達成することで塗り替えた。
福永祐一騎手が「世界でも類を見ない大変な偉業」と話した通り、三冠馬の栄光に彩られる歴史の中でも特別なレースとなった今年の菊花賞。
そして、もう1つ印象的だったのが、その「着差」だ。
皐月賞(G1)こそサリオスと半馬身差の接戦だったが、日本ダービー(G1)では3馬身差の圧勝。そんなコントレイルが、まさか最大のライバル不在の菊花賞で「クビ差」まで追い詰められるとは、多くのファンにとっても想定外だったに違いない。
ちなみに菊花賞のクビ差勝利は、歴代の三冠馬の中でも最小の着差。ナリタブライアンの7馬身圧勝を筆頭に、すでに同世代との差がはっきりしている最後の一冠では、三冠馬の力が改めて浮き彫りとなる結果が目立ったが、コントレイルはギリギリまで追い詰められた。
無論、そこには2着アリストテレスの鞍上C.ルメール騎手の好騎乗があったことは確かだが、それ以上にコントレイルが苦戦した理由は「距離適性」ではないだろうか。
率直に述べて、もしコントレイルが春に二冠を達成していなければ、3000mの菊花賞へは出走していなかったはずだ。
昨年9月に行われた1800mのデビュー戦を快勝したコントレイル。だが、福永騎手は「センスがいい。言うことがない」と絶賛した一方、「スピードが勝っているタイプ」とマイル以下で活躍する可能性を示唆。「距離はやってみないと分からない」と、距離延長には慎重な姿勢を示していた。
さらに11月に東京スポーツ杯2歳S(G3)を5馬身差でデビュー連勝を飾った際、陣営は「2000mくらいまで大丈夫な感じ」とやはり距離には慎重な姿勢を見せ、続く2000mのホープフルS(G1)でG1初制覇を飾った際も矢作芳人調教師が「2000mまでは大丈夫だけど、2400mは……」という旨のコメントを残すなど、コントレイルは常に距離を不安視されてきた存在だ。