JRA天皇賞・秋(G1)世代交代狙うクロノジェネシスが「完成の域」に……馬体重“大幅増”は勝利の印!?

 11月1日、東京競馬場では天皇賞・秋(G1)が開催される。打倒アーモンドアイの筆頭が、同じく牝馬のクロノジェネシス(牝4歳、栗東・斉藤崇史厩舎)だ。

 前走の宝塚記念(G1)では、得意の道悪馬場を味方に、2着のキセキに6馬身の差をつける圧勝劇を演じた。その勝ちっぷりから、天皇賞・秋ではアーモンドアイに次ぐ2番人気に支持されそうだ。

 29日に発表された枠順は「6枠7番」。斉藤崇調教師は「いいんじゃないですか。あまり外過ぎないし、真ん中ぐらいでちょうどいいと思います」と納得のコメント。今年は少頭数のため、あくまでも参考程度だが、6枠は過去10年で「2-1-1-15」とまずまず。馬番の7番枠は「2-2-0-6」。40.0%という連対率は最も高く、絶好枠を引き当てたといっていいだろう。

 クロノジェネシスの状態面にも陣営は手応えを感じている様子。最終追い切り後に、北村友一騎手は、「気持ちよさそうに走っていましたしリズムも良かったので、いい最終追い切りができたと思います」と話すと、斉藤崇調教師も「イメージ通りで最後も無理させる事なく並びに行けたので良かったのでは無いかと思います」と順調さをアピールした。

 ただし、同師は「今回はいつもと違い長距離輸送があるので、強くなりすぎないようにとは思っていました」ともコメントを残した。ここで気になったのは「長距離輸送」というワードだ。

 クロノジェネシスにとって、関東圏への輸送、いわゆる「東上」は今回が4度目。しかし、昨年の秋華賞(G1)以降の5走はすべて関西圏。そのため、長距離輸送は昨年のオークス(G1)以来、1年5か月ぶりという久々となる。

 G1レースでは木曜日の夕方に「調教後の馬体重」が発表される。クロノジェネシスがG1レースで唯一東上したオークスの時は、「調教後馬体重」からレース当日は10kg減っての出走だった。地元関西圏でのG1では、これまで「増減なし~8kg減」なので、陣営にとっては長距離輸送による馬体減りは懸念材料の一つだったはず。

 そんな陣営の不安を吹き飛ばしたのが、29日の夕方に発表された調教後馬体重。クロノジェネシスは478kgで、過去最高馬体重だった前走の宝塚記念から14kgも増えていた。

 もし、本番当日にオークスと同じ10kg減ったとしても、前走から「+4kg」で過去最高の468kgでの出走となる。長距離輸送でさらに大きく減らす可能性もゼロではないが、少なくとも宝塚記念から減ることはなさそうなのは安心材料といえるだろう。

「クロノジェネシスにとって当日の馬体重は非常に重要なポイントになり得ます。これまで馬体重が増えたときの成績は4戦4勝。一方、増減なしか馬体重が減ったときは『2-2-2-1』。オークスでは432kgで走っていましたが、もはやその面影はありません。調教後馬体重が大幅に増えていたことは成長の証しではないでしょうか」(競馬誌ライター)

 おそらく当日は460kg台を維持するとみられるクロノジェネシス。天皇賞・秋は、460kg未満の牝馬は過去30年で「1-0-0-10」と厳しいレースだっただけに、陣営も一安心だろう(460kg以上なら「4-4-4-17」)。

 G1・8勝目を狙う1年先輩のアーモンドアイとは、最初で最後の直接対決になる可能性が高い。実績は遠く及ばないが、馬体重が示す通り、成長曲線はクロノジェネシスが勝っているはず。果たして世代交代は実現するだろうか。

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