JRA「大物問題児」武豊ディープモンスターが汚名返上の快勝劇! 「上手に競馬してくれた」放馬→競走除外の屈辱デビュー戦も“追試”をクリア

 期待の大器が「追試」をきっちりクリアした。

 31日、京都競馬場で行われた5R新馬戦(芝2000m)は、1番人気のディープモンスター(牡2歳、栗東・池江泰寿厩舎)が勝利。8月のデビュー戦でレース直前に放馬してしまい、まさかの競走除外となった“問題児”が、仕切り直しの一戦で単勝1.4倍の人気に応えた。

 17頭立てで行われたレースで、まずまずのスタートを決めたディープモンスターは鞍上の武豊騎手に促される形で好位へ。逃げ馬集団を見るような形でレースを進めると、3コーナーから武豊騎手の手が動いて、最後の直線の入り口では先頭集団に並び掛ける。

 最後の直線では再びライバルたちが並び掛けてきたが、武豊騎手がムチを入れると、そこからさらに加速。最後は2着アルバーシャに1馬身半差をつけて初勝利を飾った。

「今日は落ち着いていましたね」

 レース後、武豊騎手がそう振り返ったのはディープモンスターにとって、これが仕切り直しのレースだったからだ。今夏の小倉で行われたデビュー戦において、レース直前に暴れて放馬してしまい、競走除外。今回は汚名返上の一戦だった。

「今回も道中で頭が高くなるシーンがあったり、4コーナーでやや膨れたりと、まだまだ粗削りな面が目立ちますが、まずは無事にレースに参加できてよかったと思います。ゲートも上手に出ていましたし、武豊騎手も『上手に競馬をしてくれた』と褒めていましたよ」(競馬記者)

 ディープモンスターの父は言わずと知れたディープインパクト。母シスタリーラヴは米国の重賞勝ち馬で、全兄のダノンアレーは毎日杯(G3)3着と、血統的にも大きなところが狙えそうなスケール感がある。

 この日、2000mの新馬戦を勝ち上がったことで目標は当然、来年のクラシックになることが濃厚だ。

「ただ、『4コーナーで手応えが怪しくなった』と話していた通り、自分でレースをやめてしまうところがあるかも。武豊騎手に促されて、ムチを入れられてからはもう一度真面目に走っていましたが、まだまだ課題は多そうです。

ただ、ギアが入ってからの伸びはここでは段違いでしたし、課題が多い中で勝てるのは能力の証。これから競馬を覚えてくればクラシック戦線でも面白い存在になりそうなので、若駒の教育に長けた武豊騎手とのコンビは今後も継続してほしいですね」(同)

 レース後、「小倉の時よりも良くなっている」と武豊騎手に成長を評価されたディープモンスター。この日、単勝1.4倍だったように真面目に走りさえすれば、その能力は多くのファンが認めるところだ。

 これまで数多の名馬を育てたレジェンドジョッキーの教育で、“大物問題児”がスター街道を驀進できるか。群雄割拠の2歳戦線からまた1頭、注目株が誕生した。

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