JRA秋競馬前半戦を総括! 武豊の凱旋門賞、無敗の三冠馬2頭誕生、芝G1最多勝、地方馬の活躍、新たな白毛馬伝説、馬券売上好調
■騎手と調教師
秋競馬で最も勝利を挙げたのは、やはりC,ルメール騎手だ。関西所属ながら中山で16勝、東京で13勝。しかし京都では4勝、中京で3勝、阪神では意外にも騎乗無しと関東に偏った成績。それでも9月と10月の秋開催で合計36勝というのはさすがと言わざるを得ない。
調教師は4回東京開催で出走馬が18戦8勝、勝率44.4%・連対率55.6%・複勝率72.2%という驚異の成績を記録した国枝厩舎が凄い。2位の木村厩舎は3勝なので、まさにダブルスコア以上の成績。秋の東京開催を目標にしてきたのは明白であり、11月の東京開催でも大いに期待できそうだ。関西では9月の阪神も10月の京都もともに3勝がトップで、いくつもの厩舎が勝利数1位タイで並んでいる状況。いずれも突出した成績ではなく、西はかなりの混戦模様だ。
■凱旋門賞
急遽ジャパンへの騎乗が決定し、スプリンターズSや秋華賞の騎乗をキャンセルしてまでフランスに渡った武豊騎手。しかしレース前日に言い渡されたのは、非情なジャパンの出走取消。同馬の飼料に禁止薬物が含まれていたという完全な不可抗力だが、凱旋門賞勝利という武豊騎手の夢が砕け散った瞬間でもあった。またこの凱旋門賞では史上初の3勝を目指していたエネイブルも敗退、後日引退が発表されている。
■地方競馬とJBC
この競馬人気の勢いはJRAだけにとどまらず、地方競馬も負けてはいない。11月3日には地方競馬の祭典である「JBC」が開催され、今年は初めて2歳限定の「JBC2歳優駿」も行われた。同日に合計4つのJpn1レースが行われたわけだが、JRA所属のクリソベリルが国内8戦8勝の圧倒的な強さを見せつけた「JBCクラシック」は前年比166.4%、地元大井競馬所属のサブノジュニアが大金星となる勝利をあげた「JBCスプリント」は125.9%、ファッショニスタが昨年3着の悔しさを晴らす勝利を見せた「JBCレディスクラシック」は114.6%とすべて大幅な伸びを見せたのである。さらに今年新設された「JBC2歳優駿」は、地元ホッカイドウ競馬所属のラッキードリームが勝利するなど、このJBC4競走は中央2勝地方2勝の互角に終わったのである。
このJBCでひとつ画期的な試みがあった。それは大井競馬場で「クラシック・スプリント・レディスクラシック」の3レースを実施し、門別競馬場で「2歳優駿」を実施と、2場所で同時に開催されたのである。
これは観客動員が復活すれば、JRAでも見てみたい手法だ。例えば東京と阪神で同日にG1レースが行われるのであれば、東西ともに多くの競馬ファンが集結するだろう。競馬ファンも大きく盛り上がることは間違いなく、コロナウイルスを克服した暁には、ぜひ一考していただきたいものである。